業種と職種を選ぶことは、転職活動をスタートさせて、希望の仕事に就くために重要なポイントです。社会人経験から、業種と職種については、漠然としたイメージをもっている人は多いですが、転職するときになって言葉の意味や具体的な領域の違いに戸惑う人は少なくありません。
異業種・同業種への転職を目指している人、異職種・同職種への転職を目指している人も、的確な仕事選びができるように基礎知識をおさらいしましょう!
意外と知らない業種・職種の詳細を知ることで、転職の選択肢が豊かになる場合もあるので、まずは下記から考えていきましょう。
- 業種と職種の違い
- 一般的な転職サイトでの用語の使われ方
- ハローワークでの分類の仕方
このように、業種や職種を分けて考える知識をつけたら、転職時の仕事選びで役立つ状態になることが望ましいですよね。そして、どの職種が転職に有利なのかを考えていきましょう。たとえば、以下のような職種について考察して、それぞれの強みを見つけられるよう解説していきますね。
- SE
- IT/WEBプログラマー
- コンサルタント
- マーケティング
- 企画職
それでは、まず『業界と職種の違い』から解説しますので、基礎知識のおさらいをしましょう!
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業種と職種の違いについて
転職先を考えるに当たっては、業種と職種の選択というのはかなり重要なポイントとなります。そのためにも、そもそも業種とは何を指すのか、職種とはどのような意味かについて調べ両者の間にある違いを確認してみましょう。
業種とは?
業種というのは企業が行っている事業の種類のことを指します。他の言い方をすると、その企業がどの業界に属しているかを教えるものとなります。たとえば、以下のような業種が存在します。
- IT
- 金融
- 農業
- 小売
- 飲食
それぞれの業種によって主なビジネスモデルや従業員の働き方、賃金構造などが違っています。また、求められるスキルや働く人たちの層が異なることもあります。そのため、自分に合った仕事を見つけるためには、業種の選択というのはとても大事な要素となります。
業種の分け方にはいろいろなものがあり、税制やハローワークなどで分類しているものもありますし、一般的な分類の仕方というものもあります。そのため、どのような分類をしているのかについての理解を深めることも大事です。
職種という言葉の使われ方<転職活動編>
職種という言葉は、従業員それぞれが働く業務の内容について指します。具体的には、以下のような職種があります。
- 経理
- 営業
- エンジニア
- 事務
このように、職種というのは会社による違いというよりも、内部の部署による違いによって分類されます。そのため、異なる業種の会社であっても、職種は同じということがありえます。
たとえば、「IT企業の経理」と「製造業の経理」は、業種は違いますが職種は同じです。
そのため、特定の職種に関するスキルを持っていれば業種に関わらず働けることもあります。もちろん、営業やエンジニアなど、業種によって求められる経験が異なることもありますので、両方の要素を考えて転職先を探していくことが重要になってきます。
求人情報で注意すべき「表現のゆれ」
求人情報では、先述したような分類に基づいて業種と職種が企業ごとに記載されています。しかし、サイトによって「表記のゆれ」が生じていることもありますので注意が必要です。
業種についても職種についても、分類がし辛いなど同時に複数の種類の業務をしていることもあるからです。さらに、サイトごとに職種の分類の仕方が異なることもあります。
そのため、業種と職種という考え方については、大まかな分類であるという意識を持ち、実際の業務内容について詳細を確認することが自分に合った転職先を見つけるコツとなります。
業種分類を一覧で比較「仕事選びのコツと考え方」
業種と職種の違いについての理解を深めたところで、次は、転職活動の際、求人情報から自分の希望に合う仕事を探すために必要な『業種分類』についてをおさらいしてきましょう!
ここでは、広く活用されている「転職サイト」と、ハローワークの業種分類と中身について、大分類をチェックしながら違いを把握。
転職活動中に、業種を選ぶコツと考え方について、例えを用いながらアイデアを共有していきます。
転職サイトの業種分類一覧
転職サイトでは、基本的に総務省が発表している「日本標準産業分類」というものに従って業種を分類していることが多いです。その中でも、大分類と中分類、そして小分類という分け方も存在しています。
サイトの中で表示されるものは、多くが大分類となっています。ただし、総務省の分類ではイメージしにくいものもあるため、民間が運営する転職サイトでは、わかりやすく一般的な表現を使いつつ、必要に応じた差分かも行われています。
▼大手転職サイトの業種「大分類」
- IT・通信・インターネット
- メーカー
- 商社
- サービス・レジャー
- 流通・小売・フード
- マスコミ・広告・デザイン
- 金融・保険
- コンサルティング
- 不動産・建設・設備
- 運輸・交通・物流・倉庫
- 環境・エネルギー
- 公的機関・その他
このように、転職サイトでは一般名称を使った業種分類がなされていますが、大企業だと一つの事業だけでなく複数の業種を行っていることも珍しくありません。そのため、募集案件に関係する業種のみを掲載したり、一緒に職種を記載したりして、明確に業務内容が分かるようにしています。
ハローワークの業種分類(ハローワークの分類一覧)
ハローワークでは総務省の「日本標準産業分類」をそのまま使っています。この分類表では大分類が20の業種に分かれています。その一覧は以下の通りです。
- A:農業、林業
- B:漁業
- C:鉱業、採石業、砂利採取業
- D:建設業
- E:製造業
- F:電気・ガス・熱供給・水道業
- G:情報通信業
- H:運輸業、郵便業
- I:卸売業・小売業
- J:金融業・保険業
- K:不動産業、物品賃貸業
- L:学術研究、専門・技術サービス業
- M:宿泊業、飲食サービス業
- N:生活関連サービス業、娯楽業
- O:教育、学習支援業
- P:医療、福祉
- Q:複合サービス事業
- R:サービス業(他に分類されないもの)
- S:公務(他に分類されるものを除く)
- T:分類不能の産業
ここからさらに、中分類や小分類が存在しています。たとえば、「不動産業」という大分類の下に、「不動産取引業、不動産賃貸業・管理業」などの中分類があります。そして、その下に「不動産管理、不動産代理・仲介業、不動産賃貸、駐車場業」などの小分類が存在しています。
ご覧になってみての感想はいかがでしょうか。大分類の状態なら、どんな業種なのか漠然としたイメージができますが、中~小分類までを見ると、聞き慣れない言葉ばかりですよね。
業種から仕事を選ぶコツと考え方
業種によって求められる、もしくは役に立つスキルや経験が異なることがあります。特に専門的な職種ほどその傾向が強いです。例を見ながら傾向をつかみ、コツと考え方を把握していきましょう。
例えば、エンジニアという職種の場合、IT系と電気系の業種では、必要な経験&スキルはもちろん、業務内容は全くことなります。
そのため、自分の持つスキルを活かせる業種なのかを考えることで、自分に合った職場を見つけられます。また、業種もしくは業界によって職場の雰囲気や働き方も違ってきます。
たとえば、IT系の場合は他業種と比べて『若い世代多く、カジュアルな雰囲気』があります。さらに、在宅ワークが多い業種や非正規雇用者の割合が多い業種も存在し、新しい働き方が導入されるのも早いといえます。
このように、業種選びのコツは『業種による職種が指し示す仕事内容の違い』と、『職場環境の違い』を把握することです。このような考え方を持つことで、自分が求める働き方にマッチした業種を選んで、転職活動が成功へと一歩近づきます。
職種分類を一覧で比較「仕事選びのコツと考え方」
職種の分類は、業種に絞り込み条件を付け加えることで、仕事探しを行う際に不可欠な知識です。先述したとおり、業種だけでも膨大な数がありますが、職種も沢山存在しており、その名称は民間の転職サイトとハローワークとでは異なるのでややこしくなります。
特に、同じ職種であっても、組織や担当領域の違いなどにより呼称に違いがあるので、自分のイメージとかけ離れた仕事内容であることに気付くのが遅れることもあります。
そのような場合、職種のミスマッチが発生し、早期離職にも繋がってしまうため職種分類について、しっかりとした知識をつけておきましょう。それでは説明していきます。
転職サイトの職種分類
職種はかなり細かく分けることができますし、業種によって特殊な職種があったり、逆にほとんど必要のないものもあったりします。そのため、一般的な転職サイトではまず業種を選んで、その後に関係する職種の選択肢が出てくることが多いです。
サイトによっても職種の分け方や呼び方が違うことも珍しくないので、しっかりと確認すべきです。一般的な職種の分類としては、以下のようなものがあります。
- 管理職
- 営業職
- 技術職
- 事務職
- 販売職
- サービス職
- 保安職
- 農林水産職
- 製造作業職
- 輸送・運転
- 建設職
- 清掃職
こうした大まかな分類がメインとなり、それぞれの職種からさらに細かな種類に分けられることもあります。また、同じ職種でも分野ごとに分けて表示されることもあります。
たとえば、転職サイトでも案件数の多い営業職は、複数のカテゴリへ細かく分類される傾向があります。(以下、参考)
- 法人営業
- 個人営業
- 代理店営業
- ルートセールス
- 海外営業
- 営業マネージャー
- コールセンター
これらのように、営業職という職種にも、複数の名称があり各々の領域には異なりがあります。ただし、転職サイト単位でことなる曖昧な部分でもあるので、掲載されている求人の全てが、イメージ通りの業務内であるとは決めつけないようにしましょう。
ハローワークの職種分類
ハローワークでは、厚生労働省が出している職業分類というものを使って、11種類に職種を分けて紹介しています。その職種とは次のようなものです。
- A 管理的職業
- B 専門的・技術的職業
- C 事務的職業
- D 販売の職業
- E サービスの職業
- F 保安の職業
- G 農林漁業の職業
- H 生産工程の職業
- I 輸送・機械運転の職業
- J 建設・採掘の職業
- K 運搬・清掃・包装等の職業
転職サイトが分類している職種と似たようなものですが、大分類に属していてかなり大まかなものです。そのため、上記の例にもあるように、営業などの職種についてはさらに細かく見ていかないと、実際の業務内容が分かりにくいこともあります。
また、生産工程の職業と技術的職業の境が分かりにくいなど、重なっている職種も業種によっては存在します。そのため、ハローワークで仕事をチェックする時には、業種の指定をしっかりとする必要があります。
それと同時に、きちんと業務内容の詳細を確認して自分がしたいと思っている仕事かどうかを見ることが大事です。
職種から仕事を選ぶコツと考え方
職種の違いによって、実際の仕事の内容と求められるスキルや実務経験がはっきりと異なってきます。そのため、まずは大まかに自分のキャリアとマッチする職種を考える必要があります。その上で、大まかな職種の分類だけでなく、中分類もしくは小分類もチェックして絞り込んでいくことが大事です。
職種によっては、この細かな分類の仕方によって対応する相手や業務の仕方が大きく変わってきます。そのため、販売でもBtoBなのか個人顧客なのか、営業でも新規顧客の開拓なのかルート営業がメインなのかなどの詳細を見ることが重要です。
その上で、各企業の応募要項にある具体的な業務内容と比較して、自分が求める転職先の条件に適っているかをチェックしましょう。
仕事探しは「業種×職種」で考える
仕事探しをする際、業種と職種をチェックするのは、ミスマッチを未然に防止する上では欠かせません。転職サイトや転職エージェントには数多の求人案件が存在し、サイトや人材紹介会社によって、業種と職種の表記(ネーミング/分類)は異なります。
そのため、転職活動の際には、常に『業種×職種』をセットで考えるのが基本となります。そうしないと、同じ職種であっても自分の経歴やスキルと合わない仕事となってしまうことがあるからです。
【希望職種:営業職】の場合、転職先の業種が「医療関連」と「IT関連」では
たとえば、営業という職種に就きたいと思っていても、医療という業種の営業とIT関連業種の営業では全く異なります。医療関連の営業では当然医療そのものや製薬についての専門知識、そして学歴が求められることが多いです。そのため、今までIT関連の営業をしていた人がいきなり移るのはかなり難しいです。
また、大企業だと同じ会社でも複数の業種に関係していることがあります。そのため、求人票の詳細をじっくりと確認して、企業名から勝手に業種を想像するのではなく、どの業種での応募なのかということを確認することも大事です。それによって、同じ企業で同じ職種であっても、実際の業務内容が違うという間違いを防げるのです。
このように、大事なのはきちんと業種も職種も、両方を確認して自分の持つスキルや希望に合っているかを確かめた上で応募するということです。
騙されるな!業種と職種は柔軟に考えるのがコツ
どの求人情報を見ても、業種と職種は必ず明確にされています。しかし、実際に仕事内容などを読み進めると、あくまでも大まかな分類がなされているだけということが多いことに気付くでしょう。
そのため、小売業種の販売という職種であっても、個人向けに商品を見せながらの店頭販売だけでなく、営業をすることが求められるといったこともあります。そのため、職種に関しては求人情報の詳細をしっかりとチェックして、実際の業務内容を把握できるようにしておくことが重要です。
それと同時に、業種についても柔軟に考えることがコツです。
一つの事業だけでなく複数の事業を行っている企業がかなりの割合を占めるからです。
また、ITと金融の両方をしている企業や、電気事業者が建設業にも関わっているといったことも多く、事業の境目が付きにくいケースも多々存在するのです。そのため、あくまでも転職サイトに記載されている業種というのは、大まかな分類、もしくは便宜上そう記載しているだけという認識でいた方が安全です。
大事なのは、社名からその企業について自分でリサーチして、実際にどんな事業を行っているのかを知ることです。単にハローワークや転職サイトが提供している情報だけで判断せず、さらに情報収集をすることによって、ミスマッチを防げるのです。
同業種・異業種・同職種・異職種の考え方
業種と職種について解説してきましたが、転職をする際の仕事探しでは、以下の①~④までの組み合わせから求人を探す事になります。
- 同業種×同職種
- 同業種×異職種
- 異業種×同職種
- 異業種×異職種
一般論では、①が転職の王道とされ、積上げてきた知識/経験/スキルの3つがフルに活かせるとされています。②と③は、初めての挑戦にはなるものの、一定の知見を活かせる可能性があるといわれます。そして④は、全くの未経験者としての転職なので、最も難易度が高いとされ、慎重な判断が必要です。
同業種/同職種へ転職する場合
同業種で同職種というのは、転職においては最も楽で有利なやり方と言えるでしょう。すでにその業務についての実務経験がありますし、たとえ職場が変わっても業務自体についてのスキルが身に着いています。
そのため、年収アップやより高い役職での転職を期待できます。そして、採用する会社の側としても、人材の能力についての判断がしやすいというメリットもあります。そのため、採用決定されるのも早く、転職期間を短くできます。
さらに、入社してからも、新しい職場独自のやり方に慣れれば、すぐに身に着いたスキルを活かせるので即戦力として働けるという良さもあります。より良い条件での転職をしたい、今の職場で働き続けるのが難しくなったという理由であれば、最も効率的な転職の仕方となります。
異業種/同職種へ転職する場合
同じ職種であっても異業種に転職する場合には、まずすでに持っている経験や能力がそのまま通用するかを確かめる必要があります。
もし、業種が変わってもそのまま引き継げるスキル、つまりポータブルスキルがあるということであれば、その共通する点を前面に出して転職活動をするのがコツです。
特に営業職・SEなどでは、業種が変わってもそのまま通用することが多いので、いわゆる潰しが利く職種と言えるでしょう。年収アップを狙うなど、異なる業界での経験を積み上げてキャリアアップする際に使いたい転職方法となります。
新しい業界でチャレンジしてみたいという人は、他業界からの転職者を受け入れる土壌があるかという点もチェックしてみましょう。
同業種/異職種へ転職する場合
同じ業種であっても職種が異なると、実際の業務については未経験という分類をされることになります。
そのため、年齢によってこの転職のやり方が有利かどうかは変わってきます。若い人であれば、いろいろな職種を経験することによって、長期的キャリア形成のために役立ちますので本人にとって有利です。そして、企業としても未経験であったとしても、業界についての知識と経験があるので、他の人よりも優先的に採用したいと思うものです。
一方で、年齢が上になる、具体的には40歳以上は難しい状況となります。
この形での転職を考えているのであれば、同じ業種で働いてきた経験があるということをアピールすると同時に、なぜ違う職種に転向しようとしているのかを納得できるように説明することがカギとなります。
異業種/異職種へ転職する場合
業種も職種も今までとは違う仕事に転職するのは、完全に新しい分野へのチャレンジとなります。そのため、仕事の流れや商習慣、業務の進め方などにおいて全くの未経験と見なされます。
そのため、若年者が有利な転職となります。早い段階で、今までのキャリアから脱却して、新しい経験とスキルを身に着けていくことができるからです。企業側としても、未経験者であっても若者であれば十分対応できるという判断をすることが多いです。
一方で、30代半ばから難しくなり、少なくても未経験者歓迎という企業でないとすぐにはねられてしまう可能性が高くなります。
入社できたとしても、低い収入からのスタートであることも多く、あまりおすすめしない転職の仕方です。
結論・強みを発揮しやすいのは「同職種」です!
全体を通してまとめてみると、最も有利で自分が今まで積み上げてきた経験やスキルを生かして転職ができるのは、同職種であるということが分かります。
どんな職種かによっても異なりますが、場合によっては業種が変わってもあまりマイナス要素とならずに転職できる可能性も高いです。
特に業務に直接関係する資格を持っているのであれば、幅広い業種で働けることもありますので、それを強みとして転職活動を進めるのも良い方法です。
変わると大変なのは業種(業界)?それとも職種?
今までのキャリアとは異なる道に進むことを考えているのであれば、ある程度の大変さを覚悟するはずです。その場合、業種もしくは業界を変えるよりも、職種を変える方が大変だという認識で転職先を探しましょう。
業種や職場を変えても、実際にする仕事の内容はそれほど変わらないということはよくあります。しかし、職種を変えるというのは、毎日の仕事の内容が全く変わってしまうことを意味します。そのため、応募に当たって求められるスキルが違いますし、働き始めてからの苦労も大きくなります。
【補足】部署名・職種名・仕事内容は会社単位で異なる
転職をする際に気を付けたいのは、それぞれの会社で部署名や職種、仕事内容というのは違うという点です。転職サイトやハローワークで提供している求人情報というのは、あくまでも一般的な分類に基づく情報です。そのため、求人票だけで判断するのではなく、さらに細かな点をリサーチして決定しましょう。
異業種転職に強い職種一覧
異職種への転職は、同業種への転職と比べ、それ自体がハードルになりがちです。しかし、異業種への転職であっても、強みのある職種というのが存在し、転職を成功させやすい性質を持っているので、「転職に強い理由」と「転職活動のアドバイス」を紹介していきます。
今回は、8職種についての解説です。
異業種転職に強い職種1「営業職」
①強い理由
外注していない限り、どの業界どの企業においても営業職は存在します。そのため、単純に転職先の選択肢が多いというのは大きなメリットです。そして、商材が変わっても営業力の基本というのはあまり変わりません。そのため、企業としても異業種であっても実績のある営業マンを積極的に採用する傾向があります。
②求職者へ転職活動のアドバイス
営業職でも法人営業、個人営業の差があります。また、海外営業や営業マネージャーなどの特殊なものもあります。そのため、大きな分類での職種ではなく、詳細についてもチェックして転職先を探すようにしましょう。同時に、扱う商材が自分の経験とマッチするかについても調べて、実績を出しやすいものかを検討しましょう。
異業種転職に強い職種2「システムエンジニア(SE)」
①強い理由
業種が変わっても、SEが行う業務の内容があまり変わらないというのはとても強いです。社内で使う業務システムや、WEBサービスと関連するシステムを作ることが多く、その中でできること自体の差はあっても、システムの作りはそうそう変わらないからです。そのため、スキルと実務経験をそのまま生かせます。
②求職者へ転職活動のアドバイス
業務内容はそれほど変わらないと言っても、業務プロセスが変わることは多いです。チームでどのようにシステムを作っていくのか、チェック体制はどうなっているのかなどによって、細かな進め方に違いが出てきます。また、求められるシステムのレベルや規模にも違いがあります。業務の内容というよりも、その進め方に注目して情報を集めると良いです。
異業種転職に強い職種3「IT/WEBプログラマー」
①強い理由
大企業だけでなく、中小企業でもWEBサービスを提供するようになっています。そのため、スキルの高いプログラマーを採用したい企業がたくさんあり、優れた条件の転職案件を見つけやすいです。そして、異業種であってもSEと同じように、それほど実際の業務内容が変わらないというのも有利です。
②求職者へ転職活動のアドバイス
職場の雰囲気は企業によってかなり変わります。IT業界だと服装から就業時間まで自由度が高く、それぞれの社員が伸び伸びと働ける職場環境となっていることが多いです。しかし、業界が変わると、職場でやること自体は同じであるものの、スーツ着用が義務付けられるなど、就業規則が厳しくなることがありますので、環境についてのリサーチをしましょう。
異業種転職に強い職種4「コンサルタント」
①強い理由
税務や会計、マーケティングなど、どの企業においても関係するコンサルタントは、業種が変わっても有利です。むしろ、幅広い業界に通じていて、多方面の情報を持っているコンサルタントというのは、より高く評価される傾向があります。そのため、転職することによって年収アップなどのメリットを得られる可能性が高いのです。
②求職者へ転職活動のアドバイス
今までのキャリアや実績がとても重要な仕事です。そのため、自分のポートフォリオを作成して分かりやすくアピールできるようにしておきましょう。どんな分野で、どの企業でコンサルティングをしてきたのか、その結果どのようなメリットを生み出してきたのかを分かってもらえるようにしましょう。
▼こちらの記事も参考にしてみてください。
異業種転職に強い職種5「マーケティング・企画職」
①強い理由
売れる商品やサービスにするためのマーケティングというのは、どの企業でも求めている重要なスキルです。また、業界によってマーケティング手法には多少の違いはあるとはいえ、基本的な戦略や考え方は共通しています。また、新しい手法を取り入れるために、他業種の人材を入れることにも積極的な職種対象でもあります。
②求職者へ転職活動のアドバイス
実績がものを言う世界ですので、自分のキャリアを転職活動でいかにアピールできるかが成功のカギです。そのためにも、ポートフォリオの作成はとても重要です。どんなマーケティングを企画、実行してきたのか、それによりどんな効果が生まれたのかを数字を出しながら説明できるように準備しておきましょう。
異業種転職に強い職種6「人事職」
①強い理由
人事部門がない企業というのは、アウトソーシングをしていない限りありません。そのため、業種に関わりなく求人案件を見つけやすいというアドバンテージがあります。そして、人事というのは経験が重要な職種ですので、実務経験が豊富であれば好条件での転職がしやすいというのもこの職が強い理由です。
②求職者へ転職活動のアドバイス
書類選考をする人も面接を担当する人も人事職にある人です。そのため、同じ職種にあるものとして、その能力やスキルを図るためにシビアになることがあります。ある程度深い質問であったり、厳しめの対応をされたりする可能性も考えて、対策を練っておくことが大事です。それぞれの企業によって異なるカラーを見極めて、適切な対応ができるようにしましょう。
異業種転職に強い職種7「経理職」
①強い理由
経理職に就いていると簿記などの資格を持っていることが多いですし、会計ソフトの操作に慣れているというスキルも持っています。こうした資格やスキルは、業種が変わっても十分通用します。また、全体として職場の雰囲気や仕事の進め方が似通ってることが多く、職場が変わっても他の職種よりも早く慣れるというのもメリットと言えます。
②求職者へ転職活動のアドバイス
一部の業種では、他の業種とは異なる特殊な経理手法が採られていることがあります。税制上の区別がなされているからです。こうした業種では、同じ経理職であっても、専門的なスキルと実務経験が必要なケースが存在します。そのため、自分の持つ経験がマッチする企業なのかを確かめて転職先を決めるようにしましょう。
異業種転職に強い職種8「その他」
①強い理由
職種には「その他」と記載されているものがあります。これは一般的な職種に当てはまらない業務内容、もしくは雇用形態を指します。そのため、特殊性が強い業務を行ったり、通常の会社勤めではない形で働く人であることが多いです。その分、該当する求職者が少なく、企業側が求めている条件にマッチすれば採用される可能性が高くなるというメリットがあります。
②求職者へ転職活動のアドバイス
「その他」と記載されている職種の場合は、必ずその後に業務内容や雇用形態の詳細が書かれています。その中身をしっかりと確認して、自分のスキルや希望条件とマッチしているかを確かめましょう。条件にぴったり合えば良いですが、そうでないと応募自体が難しくなりますので、マッチングをきちんとすることがとても重要な職種区分となります。
異業種転職に弱い職種一覧
異業種への転職を有利に進めにくい職種が何かはご存じですか?これから転職活動をスタートさせるなら、将来のキャリア形成に計画性を持たせるためにも、どんな職種だと業種を跨いだ転職が難しくなるかは知っておいて損はないはずです。
転職によるキャリアアップが定着し始めている日本において、これからの時代は、業種を気にせずに転職して、次の職場でも経歴を活かした働き方ができることは重要です。
今回は、6職種を紹介していきます。
異業種転職に弱い職種1「研究開発職」
①弱い理由
研究開発職は、特定の分野に特化して知識と研究実績を伸ばしていくのが一般的です。そのため、関連のない業種への転職というのは未実績に近い扱いをされますので、厳しいことが多いです。扱う研究対象も手法もかなり違うことが多いので、入社できたとしても思う通りに研究ができないリスクもあります。
②求職者へ転職活動のアドバイス
自分がこれまで行ってきた研究分野と関係する研究開発ができるかどうかを確かめることが欠かせません。また、企業によって、かなり研究開発にかける予算や設けられている設備、プロジェクトの進め方が異なります。自分の能力が生かせる環境かどうかを見極めることで、やりがいを感じられる仕事となるかどうかが変わってきます。
異業種転職に弱い職種2「品質管理職」
①弱い理由
何らかの製品を作る企業であれば、必ず品質管理職があります。しかし、そこで求められるスキルというのは、工業製品なのか食品なのかといった業種による違いがかなり大きいです。また、わずかな品質の違いを見極めるために、経験が重要視される現場もありますので、業界が変わると難しいという現実も見えます。
②求職者へ転職活動のアドバイス
まずは同じ業種の中で希望する条件の求人情報がないかをチェックしましょう。もし、どうしても異なる業種への転職をするということであれば、品質管理プロセスに共通点がある業種を見つけるようにしましょう。その上で、面接などでは、その共通点について自分が持っている経験や実績をアピールできるように準備することが成功のカギです。
異業種転職に弱い職種3「施工管理職」
①弱い理由
施工管理職は、業種によっては専門資格が求められるケースが多いです。そのため、そもそも関係する業種についての資格がないと応募できないことも出てきます。また、施工作業員を差配するためには、その業界特有の習慣や雰囲気を知っておかないと難しいものがあります。そのため、業界を移ることで一からやり直しをするのは大変な職種なのです。
②求職者へ転職活動のアドバイス
それぞれの求人で応募条件となっている資格や実務経験を、しっかりとチェックしておきましょう。自分の持っているスキルが通用するかを確認した上で、より活躍できる職場を選ぶ必要があります。もし、新しい分野にチャレンジしたいということであれば、未経験者歓迎であることや研修制度が充実していることなどを確かめましょう。
異業種転職に弱い職種4「資材調達職」
①弱い理由
資材調達職は、業種によってかなり取り扱う内容が異なります。そのため、単純に体力的に対応できないケースもあります。建設資材などはかなり重いものも多く、自分で運ぶ機会も出てくるため体力がないと厳しいといったことも考えないといけません。また、業界によって商習慣がかなり異なる分野でもあります。そのため、一から体験と勉強をしないといけないので不利になるのです。
②求職者へ転職活動のアドバイス
資材調達職と言っても、単にパソコン上で仕入れ管理をするだけのこともありますし、自動倉庫でほとんど人が動かなくても良いものもあります。逆に作業員が体力を使って働く現場もあります。そのため、実際にどんな業務となるのかを明確に把握してから応募しましょう。
異業種転職に弱い職種5「介護職」
①弱い理由
介護職は福祉業界の中でほとんど完結する職種です。そのため、介護に関する実務経験やスキルを磨いてきたとしても、他の業種に移った場合それらを生かせることはほとんどありません。そのため、同じ業界の中で転職をすることが必然的に多くなるのです。もし異業種への転職ということになれば、未経験からのスタートをすることになります。
②求職者へ転職活動のアドバイス
介護職は比較的転職者が多く、求人案件も多数出ているジャンルです。そのため、自分が希望する条件を明確にして、その条件にマッチする事業者を絞り込んでいく作業が必要となります。同時に、施設設備の状況や働き方、人間関係などの点で事業者ごとの違いが大きいです。こうした詳細も事前にリサーチしましょう。
異業種転職に弱い職種6「その他」
①弱い理由
「その他」に属する職種は、特殊な業務内容であったり雇用形態であったりすることが多いです。そのため、自分が希望する形態にマッチすればすぐに転職先を見つけられますが、逆にマッチしないとなかなか求人案件自体を見つけられません。そのため、転職先候補の絶対数が少ないというデメリットがあります。
②求職者へ転職活動のアドバイス
地道に求人情報をチェックして、好条件の案件があったらタイミングを逃すことなく、すぐに応募することが大事です。そして、求められるスキルや経験について、企業が行っている事業内容などから検討して、ピンポイントでアピールできるように準備しましょう。ある程度長い期間で転職活動をすることを想定して、焦らずに続けることも大事です。
まとめ
転職活動をするに当たっては、自分に合った企業を見つけることが非常に重要です。そのためには、業種と職種のマッチングを重視して転職先を探していきましょう。
全体的には、職種が変わる転職は業務内容自体が変わるので、雇用条件などの点で難しいことがあります。
一方で、異業種への転職は同じ職種であればそう難しくなく、キャリアアップすることも十分可能です。しかし、専門性・事業領域が狭い会社での経験ほど異業種転職が難しい傾向が見られます。
そのため、対応できる範囲が広くなるスキルや実務経験の形成ができる企業を見つけることが肝心です。長期的なキャリア形成を考えて、転職がしやすくなる企業選びをしていきたいものです。
特に新しい分野にチャレンジしたいと思っているのであれば、自分の持つスキルや能力を生かせるのか、採用の際に不利になることはないかを考えながら決めるようにしましょう。
業種と職種の違いを意識しながら転職活動をして、後悔のない転職を果たしましょう。
業種と職種が絡む転職に関しての「よくある質問」
ほとんどの面接で「どうしてこの業界を選びましたか?」という質問が多いです。また、「この業界でやりたいこととは?」や、「今までのキャリアで、この業種において活用できるものはなんだと思いますか?」という質問もされることがあります。
一番近いと思われる業種や職種を選びます。その上で、職務経歴書に詳細を記入しましょう。ただし、登録した転職サイトが、あなたの業種・職種に強くない可能性もあるので近しいカテゴリが無い場合は登録を見送ることも考えましょう。
未経験として扱われることが多い異職種への転職は、年収アップが難しいことが多いです。異業種転職の場合は、行う業務についてのスキルや経験があれば年収アップも十分可能です。
特定の業種や職種に染まり過ぎていると、そこから抜け出すのが難しいこともあります。そのため、職種を変える転職をするのは、できるだけ早い方が良いでしょう。その方が、採用の確率が高まりますし、入社後も仕事を早く覚えやすいです。
業種が異なる場合は、その業界について感じていることや魅力に思うことを志望動機として書くと、異業種転職の理由も分かりますし、熱意も伝わりやすいです。職種を変える時には、新しい仕事にチャレンジするわけですので、その理由を書きましょう。
新しい仕事に不安を感じているのであれば、どんなものかを体験して試せるのは良い機会です。一度試してから本格的な転職先を決めるのも一つのやり方です。