無形商材の営業職とは?8種類の無形営業から学ぶモノづくり営業職

無形商材の営業職

無形商材の営業職は、どんな活動をする仕事なのかについて、具体的な仕事内容や職務性質への理解を深めるため、無形営業の中から主な8職種を紹介。

無形商材の営業に向いてる人/向いていない人の特徴とタイプ、気になる年代別・役職別の年収事情に至るまでキャリアのイメージが湧くように幅広く解説。

また、無形商材の営業職の「やりがい/きつい理由」についても、これから転職する人が他の職種と比較ができるよう情報提供します。メリットとデメリットについても、代表的な内容を各3つの計6つ紹介しているので参考にしてみてください。

無形商材の営業職とは?

無形商材・営業職とは、文字通り「形がない、モノではない商品を売る営業職」です。ITビジネスの発展と市場の拡大の影響もあり、こうした無形商材が増えており、その営業を専門に扱う仕事も増えているのです。

自動車や家電のような形あるもののように、実際に目で見て試した上で、感触や魅力を確かめた上で購入の判断をするのではないため、営業職の営業力やトーク、コミュニケーション力が大きく問われるのが大きな特徴です。

無形商材とは?

もっともわかりやすいのは保険商品や生命保険でしょう。あるいは、SEOをはじめとしたインターネットビジネスにかかわるサービスも無形商材に含まれますし、SNSやクラウド関連のビジネスも無形商材に該当します。

情報商材などはまさに典型的な無形商材であり、特殊な、あるいは専門的な知識・情報をお金と引き換えに提供するサービスは、無形商材の代表格と言えるでしょう。近年増加しているサブスク(サブスクリプション)も、無形商材・営業職が扱うサービスと言えます。こうしたサービスの魅力を伝えるのも大事な役割となるわけです。

無形商材・営業の特徴

無形商材・営業職の最大の特徴は、営業力・提案力が大きくモノを言う点です。

もちろん、この2つは営業職全般に必須のスキルですが、無形商材の場合、先述したように、実際に手にとって確認できる「モノ」を扱うわけではないため、サービスの魅力や内容をしっかり言葉で伝えつつ、お客様の購買意欲を高める、あるいはお客様のニーズに応える営業が求められます。

有形商材の場合、極端な話、お客様のニーズに応える製品を紹介・提案できさえすれば、その製品の魅力で成約を獲得することもできます。しかし、無形商材の営業の場合はそのサービスが具体的にどんな特徴や魅力を持っているのかをきちんと説明し、お客様に理解してもらう必要があるのです。

無形商材・営業の性質

無形商材・営業職の基本的な性質として、成果が営業職本人に帰属する傾向が挙げられます。

つまり、成果を挙げたときには営業職の功績となり、うまく成果を出せないときには失敗と見なされてしまうわけです。例えば、お客様に合ったコンサルティングサービスを提供できれば、営業職が良い仕事をしたと見なされるわけです。

有形商材を扱う会社では、どうしても開発側の「売れないのは営業職がきちんと仕事をしないからだ」という意見と、営業側の「そもそも製品に魅力がないのに売れるはずがない」という意見が対立しがちですが、無形商材ではこうしたことが少ないという特徴があるのです。

また、有形商材では商品の機能や性能だけでなく、デザイン面なども売上に大きな影響を及ぼしますが、無形商材の場合はサービスの内容そのものが大きくモノを言うため、営業しやすい点も挙げられます。

無形商材・営業職と有形商材・営業職の違い

これまで挙げてきたように、実際にお客さまが見て、試してもらいながら営業できるかどうかが最大の違いです。無形商材・営業職の場合、サービスがお客様にどのようなメリットをもたらすのかをわかりやすく、しかも具体的に説明する手腕が求められるでしょう。

具体的な例を挙げると、優れた機能を備えた家電なら導入すればどんなメリットが得られるのかを比較的説明しやすいのに対し、クラウドサービスを導入したときにはどんなメリットが得られるのか、お客様が事前に把握するのが難しいからです。

無形商材と有形商材を扱う営業職には、このような違いがありますので、これから転職をする人は次に紹介する「無形商材の営業職8選」を参考に、自分に向いてる仕事が何かをチェックしてみてください。

無形商材の営業職の種類8選

種類を紹介

無形商材を売る営業職についての理解が深まってきたところで、ここからは『無形商材の営業職の種類』として8職種を紹介します。各営業職種について、仕事内容や年収、向いてる人と不向きな人など仕事の詳細がわかる個別ページもご用意しているので、気になる職種があったらリンクからチェックしてみてください!

コンサルティング営業 [無形商材営業職の種類1/8]

コンサルティング営業職

お客様の課題を理解し、それを解決することを目的とする営業手法、それがコンサルティング営業です。単に自社商品やサービスを売り込むのではありません。こちらが提案するソリューションによって課題を解決し、お客様が望むビジョンを実現するのが仕事です。

コンサルティング営業について

ソリューション営業 [無形商材営業職の種類2/8]

ソリューション営業職

ソリューション(solution)は「解決」という意味で、顧客が抱えている課題または気づいていない課題を理解し、それに対して解決策を提案していきます。あくまでも顧客の立場に立って考える営業スタイルで、職場としてはストックビジネスを営む企業が多く、多様な業種への支援経験が積めることから高い人気を誇る職種です。

ソリューション営業について

IT営業 [無形商材営業職の種類3/8]

IT営業職

IT営業の仕事とは、顧客からヒアリングをして解決すべき課題を分析、そして課題を解決するために必要な、情報システムやITサービスを提案する仕事です。IT営業とはエンジニアと顧客の橋渡し的な役割を担います。商談も担当しますのでコミュニケーション能力やITに関する専門的な知識も必要です。

IT営業について

広告営業 [無形商材営業職の種類4/8]

広告営業職

広告営業の仕事は、簡単に言うと「広告を出したい企業と、広告を掲載して欲しい企業の橋渡し役」です。主に、広告に関するプランニングや提案を含む企画営業や、実際の広告制作の主導・制作後の運用など、広告に関する様々な業務を行う仕事です。

広告営業について

金融営業 [無形商材営業職の種類5/8]

金融営業

金融営業とは、銀行や保険会社、リース会社等の金融機関で、金融商品等をセールスする営業全般を指す言葉です。カウンター越しに対面方式で自社の金融商品やサービスを販売することから、「カウンターセールス」と呼ばれることもあり、法人営業(ホールセール)と、個人営業(リテール)の2種類があります。

金融営業について

保険営業 [無形商材営業職の種類6/8]

保険営業職

保険営業とは、保険会社が取り扱っている保険商品をお客様に紹介した上で、加入を提案する業務を担当する営業職のことです。保険商品には様々な種類があるため、担当する保険商品、または勤務している会社・所属している部署によって、営業スタイルにも多少の違いが出てきます。

保険営業について

カスタマーサクセス [無形商材営業職の種類7/8]

カスタマーサクセス

カスタマーサクセスは営業系職種の一種で、ゴール地点を「顧客の成功」においたLTVという指標を目標とした活動を行います。従来の営業とは異なり、その顧客が自社のサービスを使い続けることで利益やメリットが出続けるように、サービスの追加や変更など、ニーズに沿った柔軟な提案を行うのが仕事です。

カスタマーサクセスについて

キャリアカウンセラー [無形商材営業職の種類8/8]

キャリアカウンセラー

キャリアカウンセラーは営業系職種の一種で、仕事に対する悩み(就職や転職)がある人と企業の間に立って、その人がこれから生き生きと仕事ができるようにサポートをすることです。そのため、さまざまな業界や職種についての知識だけでなく、幅広い雇用関連知識も必要となりますが人と関わりたい人から根強い人気がある職種です。

キャリアカウンセラーについて

無形商材の営業職に向いてる人

この仕事に向いてる人のタイプ

イノベータータイプの人 [無形商材の営業職に向いてる人1]

イノベーターとは「開拓者」を意味します。文字通り、新しい顧客を開拓していく意欲に富み、そ自分なりのやり方で営業手法を開拓していくことができる人です。

▼向いてる理由
無形商材・営業職では、ひとりひとりが個人で販路開拓からサービスの提案・紹介まで行うことが多く、このタイプは向いてる人としての特徴を備えていると言えます。

おさむ編集員

このタイプの人は、思いついたアイデアややり方をどんどん積極的に取り入れていくと良いでしょう。そうすることで、「顔を覚えてもらう」という営業職の大目標に役立ちます。積極性がうまく行けば大きな成果を上げることができますし、もし失敗しても次の成功のためのステップとして位置づけ、その失敗を自己研鑽のための経験として活かすことができるはずです。

プロモータータイプの人 [無形商材の営業職に向いてる人2]

プロモータータイプとは、商品を提案する能力に優れている人です。無形商材・営業職ではサービスの魅力をうまく伝えつつ提案する能力が求められるため、このタイプは向いてる人と評価できます。

▼向いてる理由
無形商材・営業職の仕事では、お客様に対して積極的にサービスを提案する姿勢が求められます。業務効率アップを希望するお客様にはクラウドサービスを提案するなど、お客様の視点に立った提案をするためにはプロモータータイプの姿勢が役立つのです。

おさむ編集員

良い提案をする営業だと評価されれば提案がますます通りやすくなり、好循環を生み出します。ただし、あくまでもお客様にとって相応しいサービスを提供できることが大前提です。お客様のニーズを敏感に察知できるスキルが欲しいところです。

サポータータイプの人 [無形商材の営業職に向いてる人3]

無形商材・営業職に向いてる人は積極性を備えていることがポイントですが、サポート力に優れたサポータータイプも適しています。お客様が困ったときにしっかりとサポートでき、「売りつけて終わり」ではない、きめ細やかさが評価されるからです。

▼向いてる理由
サブスクやコンサルティング、保険商品など、無形商材は顧客と長期的な関係を結ぶことが多いため、その過程でなにか問題が起こったときに、サポータータイプの対応が高く評価されます。

おさむ編集員

万一のときにお客様に寄り添うことで、信頼を獲得できます。さらに、お客様が抱えている課題を解消できる提案ができるソリューション力を備えればまさに鬼に金棒、プロモータータイプとはまた違った視点からの提案力を発揮することができるでしょう。

無形商材の営業職に必要なスキル

資格・スキル

傾聴力

傾聴力とは相手の話に耳を傾け、話の趣旨を理解した上で適切な応対ができるスキルです。無形商材・営業職として、お客様のニーズに応えたサービスを提案する上で大きな意味を持ってきます。

▼能力を発揮できる場面
例えば保険商品やコンサルティングのサービスを扱う営業職の場合、お客様が何を求めているのか、どんな補償やソリューションを求めているのかをまずヒアリングで確認した上で、それに合ったサービスの提案が求められます。無形商材・営業職に向いてる人のスキルとして役立ちます。

おさむ編集員

傾聴力を備えた営業職の提案は、お客様も耳を傾けてもらいやすくなります。柔軟な提案力を備えれば、さらにスキルを高めることができるでしょう。相手の話を聞き、その内容に合ったサービスを的確に選んで提案できる、柔軟性を磨きましょう。

表現力

無形商材・営業職における表現力のスキルとは、商品・サービスの内容と魅力をいかにわかりやすく、正確に伝えることができるかにあります。形のないものを扱うため、そもそもおすすめするサービスがどんなものなのかを説明するために必須となります。

▼能力を発揮できる場面
特にIT関連のサービスの場合、新しく登場したばかりのサービスをまだ馴染みのないお客様に提案・紹介する機会が多くなるため、このスキルがとても役立ちます。

おさむ編集員

向いてる人は優れた表現力を備えているため、お客様から「わかりやすい説明をしてくれる」と信頼を得ることができます。このスキルに磨きをかけるためにも、相手の視点に立ち、相手が必要としている情報を提供できる表現を工夫をしましょう。

課題解決力

お客様が抱えている課題を解決できる能力も、無形商材・営業職に向いてる人に備わっている重要なスキルです。コンサルティングなど、そもそも課題を抱えているお客様に提案する際に特に役立ちます。

▼能力を発揮できる場面
この課題解決力が威力発揮する場面は2つあります。1つは先述したように、そもそもお客様が抱えている課題を解決するとき、もう1つはサービスを利用し始めた後に、課題・問題が生じてしまった場合にそれを解決するときです。

おさむ編集員

この課題解決力は、先述したサポータータイプの特徴の一部でもあります。このスキルを備えた人ほどお客様から信頼され、頼られる機会があります。どんな課題にも対応できるよう、適応力に磨きをかけたいところです。

無形商材の営業職に向いていない人

この仕事に向いていない人

職人タイプの人 [無形商材の営業職に向いていない人1]

職人タイプとは、何事もコツコツと堅実に進めていくタイプの人です。

▼不向きな理由
同じことを繰り返し行うことに関しては優れた適性を持っているのですが、無形商材・営業職には向いていない人になりやすい傾向があります。そもそも無形商材は、ITビジネスなど次から次へと新しいサービスが登場し、それをうまくお客様に提案・紹介する必要があるため、状況に応じて適応できる柔軟性が求められるからです。

ななか編集員

このタイプの人は有形商材、特に自動車業界や家電業界など、業界そのものに歴史があり、営業のノウハウも蓄積されている営業職の方が向いているでしょう。ある程度決められたノウハウにもとづいて、堅実に業務を進めていくことができるからです。

飽き性な人 [無形商材の営業職に向いていない人2]

職人タイプとは正反対で、同じことを続けるのが苦手で、いろいろなことに目移りしてしまいがちな人のことを言います。

▼不向きな理由
このタイプの人が無形商材・営業職に向いていない人とされるのは、お客様との継続的なお付き合いが難しくなるからです。保険商品やコンサルティングなど、長期的なサービスの提供や課題の解決が求められる業種では、お客様の状況を把握しつつ、柔軟な対応が求められます。飽き性の人は、こうした継続的かつ柔軟な対応が苦手な傾向が見られます。

ななか編集員

飽き性の人が向いているのは、比較的お客様との付き合いが短い販売業、あるいは製造業が挙げられます。飽きる前に一つの仕事のサイクルが終わるからです。

自己主張が強い人 [無形商材の営業職に向いていない人3]

良く言えば自分の意見を曲げずに貫く、悪く言えば自分の意見に固執して相手にもそれを押し付ける、これが自己主張の強い人の典型的な特徴です。

▼不向きな理由
無形商材・営業職に向いていない人とされる最大の理由は、お客様の視点に立って課題解決を進めるのが難しい点です。お客様にとって良いサービスよりも、自分が良いと思うサービスを優先して提案する傾向があり、そのサービスが良いものても、お客様が本当に必要とする課題解決のための選択肢にはならない可能性も出てくるからです。

ななか編集員

マーケティング、特にWebマーケティングの分野では斬新な発想が求められる傾向が強いため、自分なりのアイデアや考えがあれば、自己主張が強い人が能力を発揮する機会が多くなるでしょう。

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無形商材の営業職のやりがい

この仕事のやりがい

多業界の顧客と接点ができる [無形商材の営業職のやりがい1]

有形商材の営業職の場合、どうしても関わるお客様の業種が狭くなる傾向があります。例えばOA機器なら、OA機器を求めている業種がメインの顧客となるわけです。しかし、コンサルティングや保険商品、クラウドサービスは幅広い業種で導入されているため、関わる顧客の業界も非常に幅広くなり、自然と接点もできるのです。仕事を通してさまざまな業種の動向を知る機会にも恵まれ、やりがいを感じるでしょう。

おさむ編集員

こうした他業界と顧客との接点を通して得た知識を無形商材・営業職としてのスキルアップに結びつけてみましょう。その業界ではどんな課題を抱えているのか、どんな需要があるのかを把握できれば、提案力や課題解決力に磨きをかけることができるはずです。

知識で人助けができる [無形商材の営業職のやりがい2]

無形商材を求めているお客様は、何らかの課題を抱えているケースが多く見られます。こうした課題に対して、知識を提供することで助けになることができます。ちょっとした提案がお客様の課題解決に大いに役立つこともあり、そんなときには大いにやりがいを感じるでしょう。また、役に立てたことでお客様から認めてもらえたときの喜びも、無形商材・営業職の仕事の良さです。

おさむ編集員

やはり、ここでも柔軟性と対応力が重要な鍵となるでしょう。お客様がどんな知識を求めているのかを敏感に察知し、適切な知識を提供できるか、押し付けがましくではなく、あくまでさり気なくできる工夫も欲しいところです。

異業種でも活きるキャリア形成ができる [無形商材の営業職のやりがい3]

これも有形商材と無形商材・営業職の大きな違いであり、やりがいを感じられる部分でもあります。特定の分野の商品・サービスに関する専門的な知識よりも、提案力・表現力・課題解決力が問われます。医療機器に関する専門的な知識よりも、サービスをどのようにうまく活用するかを提案できるスキルが重視されるわけです。こうした提案力・課題解決力は業種をまたいで役立つため、転職の幅も広がりますし、キャリア形成の選択肢も増やすことができます。

おさむ編集員

今やっていることが将来に必ず役立つというやりがいを感じつつ業務に励み、学んでいきましょう。課題のソリューションのような、将来どんな業種に転職しても役立つようなスキルを意識して磨きをかけていくことで、将来の展望も開けていくはずです。

無形商材の営業職が「きつい」理由

無形なので資料作成が大変 [無形商材の営業職がきつい理由1]

無形商材・営業職のきついところに、資料作成をしっかり行わなければならない点が挙げられます。有形商材のような形がないわけですし、いくら表現力に優れた営業職でも、口頭の説明だけでは十分ではありません。どうしても説明の裏付けとなる資料が必要なのです。

例えば、保険商品の説明においてはお客様のライフプランの希望も考慮した上で資料作成をしなければならないため、作業が多くなります。

ななか編集員

お客様と接する前の資料作成の仕事、デスクワークが多くなることで、純粋に仕事の量が多くなり、これがきついと感じることも多いのです。

顧客単位のカスタマイズ提案がきつい [無形商材の営業職がきつい理由2]

資料作成の大変さとも関わってきますが、無形商材・営業職では、お客様単位でサービスのカスタマイズを行った上で提案する必要があります。保険商品やコンサルティング業などはその典型的な例として挙げられるでしょう。

企業を対象としたコンサルティングでは、顧客の経営状態を考慮した上で、ソリューションを目指せる提案を用意する必要があります。当然、細かな点まで配慮した上でのカスタマイズが求められるので、きつい面もあるのです。

ななか編集員

こうしたカスタマイズをうまく行うためには事前の情報収集が欠かせず、しかもその情報をうまくサービスに落とし込むための課題解決力も問われます。毎回、顧客単位でそれを行うのが大変なのです。

個別相談が多く残業が増えやすい [無形商材の営業職がきつい理由3]

無形商材・営業職がお客様単位でのカスタマイズ・サポートを求められる仕事であることから、お客様ひとりひとりから個別に相談・サポートを求められることが多く、急な要件で残業や休日出勤が増えやすいのです。

無形商材の場合、継続的な契約関係を結ぶサービスが多くなります。例えば、社内のクラウド化などのIT系のサービスでは、途中で内容を変更したい、もっといい環境づくりはないかなど、個別な相談を受ける機会が多くなるのです。

ななか編集員

こうした個別な相談は、サービス内容に問題が見られた場合だけでなく、ちょっとした要件で求められることも多いものです。その都度柔軟に対応する必要があり、精神的にもきついと感じる機会が多くなります。

無形商材の営業職の求人が多い業界

この仕事の求人が多い業界

IT/WEB業界 [無形商材の営業職の求人が多い業界1]

今やIT/Web業界は無形商材・営業職の求人が多い筆頭の業種と言えるでしょう。今後も需要の増加に伴い、求人数が増加していくことが予想されます。

▼求人が多い理由
業務の効率化のためのクラウド化など、業種を問わず、IT/Web系の無形商材が求められる傾向があるため、無形商材の市場そのものが拡大しているからです。

おさむ編集員

とにかく次々と新技術が投入される業種だけに、最新の情報を常にアップデートしつつ業務に臨めるかがポイントとなるでしょう。

広告業界 [無形商材の営業職の求人が多い業界2]

IT/Web業界と並んで、広告業界も今後の無形商材・営業職の求人数増加が見込めます。

▼求人が多い理由
業種や企業の規模を問わず、Webマーケティングの必要性が高まっており、それを導入する手段として、無形商材の導入が急がれている面があります。Webサイトの制作やSEO対策といったIT系の業務も含めた、広告業界全体の営業職の活動が重要視されているのです。

おさむ編集員

広告業界で働く以上、営業職としての知識・スキルだけでなく、マーケティング職としての視点や知識もある程度持った上で業務に臨めるかが、活躍する上での大きなポイントとなるでしょう。

保険・金融業界 [無形商材の営業職の求人が多い業界3]

保険・金融業界はもっとも歴史がある無形商材を扱っている業種と言えるでしょう。また、現在でもなお、日常生活になくてはならない面も持ち合わせています。そのため、無形商材・営業職の求人も安定しています。

▼求人が多い理由
社会全体のIT化など生活環境が目まぐるしく変化しても、保険と金融のサービスは廃れることはなく、営業職の役割も変わらず需要があります。

おさむ編集員

ネット完結のサービスが普及するなど、サービス内容の変化も見られるため、営業職もそれに対応した業務が求められます。

無形商材の営業職の仕事に就くメリット

メリット

メリット1:専門知識と営業スキルの両方が身につく

有形商材ほど商品の専門知識は求められませんが、やはり扱っている商品に関する知識は求められます。加えて、有形商材・営業職以上の提案力が求められるため、両方を兼ね備えた人材を目指すことができます。

先程、顧客単位のカスタマイズが必要と書きましたが、その際には顧客視点に立ちつつ、扱っているサービスの専門的な知識を取り入れたカスタマイズが求められます。こうした柔軟性は職種を問わず、さまざまな場面で将来役立つでしょう。

ななか編集員

無形商材は新しいサービスが続々と登場するため、専門知識も深さだけでなく、「広く・早く」が求められます。知識を広く・早く吸収しつつ、それを営業スキルに結び付けられるような人材を目指しましょう。

メリット2:戦略的思考能力を高められる

IT業界やコンサルティング業など、市場動向を見据えた上で顧客ニーズに的確に応える提案が求められるのが、無形商材・営業職の特徴です。営業職に必須の提案力にプラスαの能力を加えることで、より精度の高い営業力を身につけていくことができます。

無形商材は、顧客と継続的・長期的な関係を築きつつサービスを提供する機会が多くなるため、数年後の市場動向や顧客ニーズも見据えた、スパンの長い戦略的思考能力を高めていくことができます。

ななか編集員

市場動向の変化が顧客の環境にどのような影響を及ぼすのか、それを見越した上で、ニーズを満たせるような提案力やカスタマイズ力を磨いていきましょう。

メリット3:異業種転職に強いキャリアが手に入る

形のない商品・サービスを扱う無形商材・営業職では、表現力や提案力が問われます。こうした能力は異なる業種・職種でも広く役立つため、転職の際に武器になるキャリアを身につけることになります。

将来を見据えた戦略的思考、顧客の話にしっかり耳を傾ける傾聴力は、現在のビジネスシーンでもっとも求められているスキルとも言えます。こうした点に磨きをかけられるのも大きな魅力です。

ななか編集員

顧客からの個別相談や顧客ごとのカスタマイズが必要になる仕事ですから、さまざまな状況において、提案力・傾聴力・戦略的思考を柔軟に活かしつつ対応できるような柔軟性を磨くことを意識しましょう。

無形商材の営業職の仕事に就くデメリット

デメリット

デメリット1:コンペ形式の商談が多い

コンペ形式ですから、無形商材・営業職では他の営業職と競い合うような形で商談を行うことが多く、せっかく資料作成など準備を整えて臨んだにもかかわらず、成功するとは限らないのです。

一生懸命準備した上で営業に臨む方は、どうしても業務量が多くなり、残業の機会も増えてしまいます。しかも出張してコンペに臨んだにもかかわらず、うまくいかないなど、肉体的・精神的にもきつい思いをすることも多くなるでしょう。

おさむ編集員

まずコンペに勝てるよう営業力に磨きをかけること、そして準備に過度な時間と労力をかけないことです。「必要な準備と労力で、最大限の効果を得られる」営業スキルを磨いていくことが大事です。

デメリット2:1人の業務量が多い

無形商材・営業職はひとりひとりが顧客単位で対応するケースが多くなるため、どうしても業務量が多くなります。有形商材はその点、無形に比べてチーム単位での営業が多くなるので、負担が少ない面もあるのです。

個人単位での業務が多いため、成功したときには本人の功績になる一方、うまくいかないときには個人の責任になってしまいがちです。何でも一生懸命で背負い込んでしまいやすい人は精神的なプレッシャーを抱えやすく、大きな負担のもとで業務を強いられやすくなります。

おさむ編集員

ひとりの業務量が多いのは、同僚や上司も一緒です。だからこそ、資料作成や顧客単位のカスタマイズなどの準備の際に協力し合い、お互いの負担を減らす工夫が欲しいところです。

デメリット3:変化の速度が早いので学習が欠かせない

無形商材・営業職の業務環境は、古い組織風土を持つ会社が多い有形商材と比較して、自由で自分のスタイルで営業しやすい面を持っています。その一方で、ノウハウの蓄積が少ない新しいサービスを手がけることが多く、変化に対応するため、学習が欠かせないのです。

目まぐるしく変化し、新しいサービスが続々登場する中で、常に向上心を持ちながら学習していく必要がある以上、向上心や新しいことへの好奇心がない方にとっては大きな負担となるでしょう。

おさむ編集員

古い体質や序列が少なく、自分なりのやり方で営業しやすい環境が多いため、それを武器にしましょう。最新の情報や市場動向を素早く読み取る努力をしながら、自分ならではの営業スキルに磨きをかけてください。

無形商材の営業職の仕事に就く方法

この仕事に転職する方法

方法1:転職サイトの公開求人から探す

転職サイトの公開求人は誰にでもチェックすることができ、もっとも手軽で探しやすい方法と言えます。ほとんどすべての転職サイトで無形商材・営業職の求人を取り扱っていますから、就職・転職活動をする際にはまずここでチェックしてみるとよいでしょう。

ただし、転職サイトの場合、無形商材の営業職の求人だけを絞り込んで検索する機能が備わっていないことも多く、自分が知りたい求人をピックアップしていくのが面倒な面もあるので気をつけましょう。

方法2:転職エージェントに非公開求人を紹介してもらう

無形商材・営業職の求人はIT・Web業界や広告業界に多く、また転職を希望する方の中にはコンサルティング業に就職したいと考える方も多い傾向があります。そして、これらの業種は公開求人ではなく、特定の転職エージェントに非公開求人の形で募集をかけることがしばしばあります。

ですから、転職エージェントに登録して非公開求人をチェックするか、または紹介してもらえる環境にないと、良い求人がいつまで経っても見つからないということになりかねません。本格的に就職・転職活動を開始する際に、転職エージェントの利用は必須と言えるでしょう。

方法3:知人や友人の紹介をもらう

無形商材・営業職は個人単位の業務が多いため、業種ごとに、さらに職場ごとに、具体的な業務内容に大きな差が出てくることもあります。ですから、知人・友人から詳細な情報を教えてもらった上で紹介してもらうことで、ミスマッチを防ぐこともできます。このチャンスを利用できる人は限られてくるかも知れませんが、可能ならぜひ積極的に利用したいものです。営業職は転職が多い傾向にありますから、元同僚にアプローチしてみるとよいかもしれません。

今後へ向けてのアドバイス

今後へ向けてのアドバイス

間違いないのは、ビジネスのIT化やWebマーケティングの拡大などの理由で、今後無形商材の市場そのものが拡大していくことです。営業職の重要性も増していく一方で、役割が多様化していくことも予想されます。

生命保険やWebサービスの営業職に向いてる人がコンサルティングビジネスに向いてるとは限りませんし、これまでの経験から自分は無形商材・営業職に向いていない人だと思っていても、別の職場で適性を発揮する可能性があるかもしれません。その意味では、「この人は無形商材・営業職に向いてる/向いていない」と断言できるだけの材料はまだないとも言えるでしょう。

つまり、無形商材・営業職として活躍したい場合には、自分にとって向いている職場、自分の能力を活かせる職場を見つけることができるか、そしてその職場に適応しつつ、自分のスキルを磨いていくことができるかが鍵になると言えます。

「無形商材の営業職の仕事」に関するよくある質問

よくある質問
無形商材とはどんな商品ですか?

無形商材は「形がない」「手にとれない」ような、主に、ソフトウェア/WEBツール/人が介在するサービスなどを指します。

無形営業とはどんな仕事ですか?

保険や職業紹介、ITソリューションのような、サービス主体の商材を用いて顧客の課題を解決へと導く仕事が無形営業には多く存在します。手に取れない分、ヒアリング力と提案力にプラスして、表現力や課題解決能力が求められる仕事です。

有形商材と一緒に売ることはありますか?

はい。特に、IT/通信分野においては、IoT(モノとインターネット)を統合運用するような、課題解決商材が続々とリリースされており、セット販売することが増えてきています。

無形商材の営業に将来性はありますか?

無形営業というと、将来性が高い分野ばかりが前面に出がちですが、IT化によりエンドユーザーの利便に変化が生じている分野もあり、全てに将来性があるとは言い切れません。そのため、将来性を考える際には、市場優位性や競合優位性の他に、どれくらい求められ続けそうかという点にも目を向けて判断することをおすすめします。

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F.Osamu外部編集員
中堅人材紹介会社の経営者。 既婚、子供2人、転職回数:5回、年収1,200万円、資格:なし。自己分析が腑に落ち、強みを発揮するコトに注力して道が拓けたタイプです。仕事以外では、適職発見同好会の立上げメンバーとして、転職者向けメディア「向いてる仕事.com」の運営を経験。転活ラボの外部編集員として活動中。