カスタマーサクセスとは?仕事内容に向いてる人の特徴と仕事のやりがいやきつい理由

カスタマーサクセス

カスタマーサクセスに向いてる人/向いていない人の特徴とタイプ、実際に転職した場合に担当する具体的な仕事内容や、気になる年代別・役職別の年収を解説。

また、カスタマーサクセスの「やりがい/きつい理由」についても、これから転職する人が他の職種と比較ができるよう情報提供します。

カスタマーサクセスがどんなことを担当する仕事なのかわからない人、新しい知識を取り入れたい人へ向けて、メリットやデメリットも紹介していますので参考にしてみてください。

カスタマーサクセスの仕事とは?

カスタマーサクセスは直訳すると「顧客の成功」という意味で、ビジネスの場では、顧客の成長や成功に繋がるようなアクションを指します。

従来の営業では商品購入や契約を結んだ時点でゴールでしたが、顧客の成功や成長のためには商材を使い始めてからこそが大切になります。

その顧客が自社のサービスを使い続けることで利益やメリットがあるように、サービスの追加や変更など、ニーズに沿った柔軟な提案を行う仕事です。

カスタマーサクセスの指標「LTV」について

カスタマーサクセスの仕事で重要な指標がLTVです。役割を知る上で重要な言葉であるLTVとは「顧客生涯価値」という意味です。一人の顧客から得られる利益がどのくらいかという視点で、現在だけに限らず、将来的な見通しも含んでいます。

社内での例を挙げると、新規顧客を開拓するコストと既存顧客を対象にした新サービスの展開を考えたときに、どちらの方が将来的に多く利益を生むか、その成果指標としてLTVを活用します。

そこにプラスして、カスタマーサクセスのためには新規顧客へのアプローチを練るか、既存顧客にさらに自社のファンになってもらうことで双方に利益がある展開にするなど、企業方針を考えるためにも必要です。

※LTV: Life Time Valueの略語

カスタマーサクセスの仕事内容

カスタマーサクセスの仕事は、自社の提供するサービスやソフトウェアを熟知したうえで、それを知らない人に魅力を伝え、使用することでどんなメリットがあるのかを説明することが重要です。

そして、サービスなどが客先へ導入されたら受け身の姿勢で終わりにせず、3つの適時フォローを行います。

その1「オンボーディング」
使い始めという意味で、導入直後の実物に触れてもらったときに、すかさず分からない点を丁寧に説明します。

その2「アダプション」
顧客が少し慣れ始めたころに、実際使っている様子から、さらに効率良い使い方などをレクチャーします。

その3「プロダクトフィードバック」
サービスを利用したことで顧客ごとに要望が出てくるので、このフィードバックを明確にし、解決策を提供します。

これらの適時フォローは、顧客のステップ、最良のタイミングで提供できるように様々な工夫が施されています。

カスタマーサクセスの仕事の特徴

仕事の特徴としては、開発されたシステムやサービスに関する知識を持つ、営業展開する業界や企業ごとの特徴・傾向をリサーチするなど、自主的な学びが必要な面があります。

さらに、継続的に顧客と自社に利益を促すのがカスタマーサクセスに求められる役割なので、常に改善できることはないか、困りごとの種が出ていないかを把握するために、顧客・社内としっかりコミュニケーションをとることも必要です。

特に、顧客の要望にすべて応えるだけではなく、要望の先にある本質を見抜き、異なる方法で応えることもあります。いずれにせよ、言われたことを自分の中でよくかみ砕き、柔軟な対応が求められるので、色々な方向にアンテナを張って、たくさんの情報をキャッチして解決へ導くのが仕事です。

カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い

カスタマーサポートの概要
提供するサービスの利用方法やトラブル、使用上の不具合や要望など、顧客側からアクションをして問題解決を行うのがカスタマーサポートです。

カスタマーサクセスの概要
サービス利用直後から、あらかじめ想定されるタイミングにこちらからアクションを起こして、顧客のフォローを行います。そして、継続的なコミュニケーションを通して、その顧客にさらなる利益が起こるよう内容を見直し、効率化や不備の解消を行うことで、自社の利益となるように行動します。

両方とも呼称が似ているので、混同されやすいのですが、本質的に異なるため転職の際には間違わないように注意しましょう。

カスタマーサクセスに向いてる人の特徴

この仕事に向いてる人の特徴

特徴1「顧客の事業に強い関心を持てる」

カスタマーサクセスの仕事は、中長期的に顧客とコミュニケーションを取り、課題解決や効率化など、良い効果をもたらす必要があります。サービス導入時はその顧客が求めることに応えることが大切ですが、継続して関係を持つのなら、その事業について常に興味関心を持つことで信頼関係を築き、より効果的な提案が可能となります。

この人が適任者である理由

カスタマーサクセスを実現するには、目先だけではなく、将来を見る視点も大切です。サービスの提供先である顧客が、これまでどんな事業展開をしてきたのか、直近の業界傾向、これから考えられる変化まできちんと想像・把握することがカスタマーサクセスへと繋がります。自社の知識と同じように、顧客の事業に強い関心を持てる人が向いてる人と言えます。

特徴2「当事者意識をもって取り組める」

当事者意識は、物事に対して責任を持ち、主体的に行動を起こす意識を意味します。ここで表す当事者意識は、カスタマーサクセスの業務を担う人が、顧客の目線で物事を考えるという意味です。顧客が実際に使う場面を想定し、パソコンなどITが苦手な人でも、分かりやすい方法を考えることが必要です。

この人が適任者である理由

当事者意識を持っていると、顧客の解決したい悩みに共感することができ、話を深掘りしながら、単純な解決だけではなく、根本の問題を見直すことも期待できます。いろいろな視点を持ち、時には相手の立場になって物事を考えるだけで、解決の糸口や違った課題が浮き彫りになるので、こうした特徴を持った人は向いてる人と言えるでしょう。

特徴3「貢献心が強い」

顧客の成長や成功から自社の利益を継続的に得るというカスタマーサクセスにおいて、貢献心が強いことで、いくつかのメリットがあります。貢献心は、自分の利益よりも相手の利益を優先する考えを意味しますが、相手の要望を聞き過ぎるあまり、自分の利益が出ない状態にすることとは異なります。仕事である以上、顧客・自社双方の利益が大切なので、将来的に継続して自社の利益にもなることを意識しながら、相手の要望に寄り添うというイメージです。

この人が適任者である理由

顧客の使いやすさを上げるために、集めたデータを分析して、あえてマイナスも伝えつつ、改善に向かう提案ができるのが理想です。イエスマンになるのではなく、相手にとって最善なことのために、全力で貢献できる人は向いてる人です。

カスタマーサクセスに向いてる人

この仕事に向いてる人のタイプ

共感性が強い人 [カスタマーサクセスに向いてる人1]

共感性が強い人は、話題を引き出すことも得意とします。相手が話しやすい空気作りが上手で、感情に同調し潜在的な考えなども聞き取ることができる人です。

▼向いてる理由
人は会話の中で心地よい相槌や傾聴する姿勢、話したことに共感を持たれると、自分の考えや希望を伝えやすく、その人へ良い印象を持ちます。カスタマーサクセスにおいて、ユーザーから直接、感想を聞ける機会は非常に大切です。そのため、共感性が強い人はこの仕事に向いてる人と言えます。

おさむ編集員

共感性が強い人は、相手に肯定的な態度で接するため、感情移入もしやすい点があります。相手の気持ちに寄り添うのは大切ですが、きちんと区分けし、「こうした意見もあるけど、利益や成長に繋げる方法は?」と一歩引いた目線も持ちましょう。

ロジカル思考が強い人 [カスタマーサクセスに向いてる人2]

分析したデータから根拠のある筋道を整えるスキルを指します。感情や感覚で考えるのではなく、事象について様々な角度から検証し、原因究明・解決方法の提案まで行うので、一歩引いた物事の見方ができる人です。

▼向いてる理由
カスタマーサクセスに向いてる人に、ロジカル思考は必須と言えます。サービスを提供してから、使い方の傾向や課題などが浮上したときに、ひとつひとつをきちんと解析し、理解をしたうえで、さらに効果的な提案ができるようになるからです。

おさむ編集員

客観的に物事を見ることができるので、課題の早期発見などが期待できます。ただし、分析や論理的な考えだけに固執しすぎず、そこで働く人のメンタルも考慮する必要がありますし、自分の分析に対する意見を受け入れる柔軟さも大切です。

主体性が高い人 [カスタマーサクセスに向いてる人3]

主体性が高い人は、積極的に自分で考えて行動を起こす人です。指示を待つだけや言われたことにだけ取り組むのではなく、周囲に目を向け情報をキャッチし、今どんな行動が必要で、次に何をすればいいのかを常に考えながら行動するタイプです。

▼向いてる理由
カスタマーサクセスでは、顧客から発信がある前にこちらが行動する必要があり、そのために周囲にアンテナを張り、今の自分が持つ最大限を発揮できるよう、適切な行動ができる人が向いてる人と言えます。

おさむ編集員

積極的に行動を起こすことで、いち早く情報を知り、迅速な対応ができるといったメリットはありますが、周囲との協調性も意識しなくてはなりません。任せられることは周囲にも頼り、適切なコミュニケーションを忘れないようにしましょう。

カスタマーサクセスに必要なスキル

資格・スキル

スキル1「サポート力」

サポート力は、縁の下の力持ちのようなイメージで一歩引いた場所から全体を見て、トラブルや疑問に適時対応する力を指します。

▼能力を発揮できる場面
サービスを提供し始めると、必ず操作が分からなかったり、イレギュラーが発生したりと不具合が起きます。事前に想定されるトラブルに対して、多くは誰でも順を追って解決できるようなマニュアルを備えますが、カスタマーサクセスではトラブルの事前回避、発生時の即時対応、それを踏まえてフローや操作方法を改善することに活用できます。

おさむ編集員

目の前の疑問やトラブルを解決するサポート力にカスタマーサクセスをプラスするには、同じ状態が起こらないよう改善するか、発生時に誰でもスムーズに対処できるよう対策をとることが大切です。

スキル2「分析力」

分析の意味は、物事をいくつかの要素に分けて、その要素を細かに判明させることにあります。ビジネスの場では、アイデアや課題の解決に繋がるスキルであり、カスタマーサクセスに留まらず、どのような職業にも活用できる能力です。

▼能力を発揮できる場面
たとえば「売上が伸びない」という問題に対して、商品やPR方法の見直し、販売員を増やす、ライバル社の傾向を調査するというように、見直すべきことをいくつか挙げて、その要素ごとに解析し、売上を伸ばす方法へ改善していきます。

おさむ編集員

身近な例では、自分自身の苦手な業務やミスが多い物事に対して「なぜ?どこでつまずくのか?」と深掘りし、効率を上げつつ、失敗も減らす方法に変えていくのです。物事に対して、常に「なぜ?」という疑問を持つことで、分析力を高められます。

スキル3「計画推進力」

カスタマーサクセスでは、自社と顧客の利益・成長のために、課題を見つけて解決していくことが求められます。解決に向けて段階的にアクションプランを設置し、こなしていくことが計画推進力です。

▼能力を発揮できる場面
顧客のニーズの中には、中・長期にわたって対応が必要なケースがあります。自社の場合は経営計画から達成目標を決め、取り組み具合から評価が行われます。日常の業務と並行して行うことが多いので、計画推進のスキルや効率化・スケジューリングなども必要となります。

おさむ編集員

まずは、すぐにできる項目からアクションプランを進めていきましょう。期日や目標を設定することで進捗が明確になり、確実に計画を進められます。大きな目標を設定したときは、ひとつずつかみ砕いて段階分けしましょう。

カスタマーサクセスの仕事が向いていない人

この仕事に向いていない人

内向的な人 [カスタマーサクセスに向いていない人1]

自分の意見を積極的に表に出すのが苦手な傾向があります。「大人しい人」というイメージを持たれやすいです。

▼不向きな理由
カスタマーサクセスの仕事では多くの人と接します。そのため、フットワークの軽い人が求められ、複数のことが同時に進行するので、自分のペースを保ちたい内向的な人には不向きかもしれません。

ななか編集員

ひとつのことに集中して深く考え、自制心があり、自分の内側に関心を深めることができるので、クリエイティブな仕事や研究職などが向いていると言えます。

飽き性な人 [カスタマーサクセスに向いていない人2]

忍耐力が少なく、興味関心が移りやすい人を飽き性と表現します。物事が途中でも切り替えていく傾向があります。

▼不向きな理由
カスタマーサクセスでは、課題解決のために長い期間をかけることもあります。すぐに成果が出ないことや地道な作業も多いので、物事に飽きやすいと、向いていない人と判断される可能性があります。

ななか編集員

企画提案をする仕事やアイデア力が必要なクリエイティブな仕事が良いでしょう。また、接客業で毎日違う人と接する仕事もオススメです。

自己中心的な人 [カスタマーサクセスに向いていない人3]

自分でやりたいという思いが強く、他人に任せるのが苦手で、協調性がないというネガティブなイメージが強い特徴があります。

▼不向きな理由
周囲と積極的なコミュニケーションをとり、時には自社・顧客との板挟みになることもあるカスタマーサクセスの仕事では、自分の意見や主張が強いと向いていない人に該当します。

ななか編集員

自分のペースを大切にしたいタイプなので、コンサルタントや運送系、エンジニアなど、好きに進めつつ、こだわりを発揮できる仕事が向いているでしょう。

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カスタマーサクセスのやりがい

この仕事のやりがい

企業の課題を外から解決へ導ける [カスタマーサクセスのやりがい1]

カスタマーサクセスでは顧客の抱える課題に寄り添い、提案した解決方法が成功することで、達成感や自信にもなります。顧客ごと、案件ごとに抱える課題は多岐にわたるので、ひとつひとつをしっかり対応していくことで信頼関係も生まれ、顧客も自社も双方にポジティブな効果をもたらすので、やりがいがあります。

おさむ編集員

成功体験を多く積み上げることで、自分の実績や強みを活かすこともできますが、却下された内容やそのときはうまく行かなかったというできごとも、後に役立つということがあります。あえて失敗体験もきちんと深掘りして整理することで、いざというときに活用できるよう備えておきましょう。

商材の課題を開発へフィードバックできる [カスタマーサクセスのやりがい2]

自社へ利益を出すために、扱う商材の見直しは必須です。そして、見直しのためには顧客のニーズをまとめておく必要があります。カスタマーサクセスの仕事は、顧客の要望をヒアリングし、開発サイドへフィードバックする橋渡しの役目もあります。良い評価も改善希望もきちんと聞き取りを行い、商材の改良ができれば成長に繋がり、やりがいを得ることができます。

おさむ編集員

開発先は自社や下請けなどさまざまですが、一緒に仕事を行う大切な存在です。顧客の要望にだけ目を向けるのではなく、ポジティブな意見も十分に聞き取り、きちんと伝えることで、開発サイドのモチベーションも上がることに繋がります。各方面に良い効果があるので、伝える先のことも考えて対応しましょう。

異業種でも活きるキャリア形成ができる [カスタマーサクセスのやりがい3]

カスタマーサクセスは営業という職種ではありますが、実際には企画・サポート、社内・社外折衝やデータ分析など、多岐にわたります。また、やりがいを感じたことや失敗から学んだ経験などを、第三者にも伝えやすい傾向があります。そのため、扱う商材が違う異業種であっても、経験してきた多くのことを活かせるので、次のステップに向けたキャリア形成が可能です。

おさむ編集員

キャリア形成は、職業経験を通して身についたスキルや考えをどのように活用するかを考えるときに使います。まずは、1年後にどんな働き方をしていたいか、3年、5年、10年と自分の将来像を具体的に考え、今できることを確認しましょう。

カスタマーサクセスが「きつい」理由

IT知識のアップデートが欠かせない [カスタマーサクセスがきつい理由1]

近年、ITの発達はスピードも速く、より複雑に変化しています。IT業界はその進化の最前線であり、常に新しい知識を学び、それを実用できるレベルまで磨き上げ、実務に利用することが必要とされます。この知識のアップデートは一朝一夕でできるものではないので、これからどんな技術の進歩が起こるのか先読みしつつ、勉強も必要になります。

さらに、カスタマーサクセスの仕事として、スムーズに顧客対応ができるよう、理解を深めておく必要があります。なんとなく把握するのではなく、顧客から解説求められたり、導入を検討するといった相談があったりしても「分かりません」とならないよう、IT分野の最新情報にアンテナを張っておかなくてはなりません。こうした自主的な行動から、きついと感じることがあります。

個別対応が多く業務過多に陥りやすい [カスタマーサクセスがきつい理由2]

カスタマーサクセスは、担当する顧客ごとに対応する案件が異なります。一人の顧客に対して複数の案件が同時進行するものや、同じ内容なのに個別対応が必要なもの、長期的なもの、単発のものなど、対応する内容が多岐にわたります。その受付と対処を一手に引き受けることが多く、業務量が増加し、きついと感じる状況になりやすいです。

これは経験を重ねることで、よくある問い合わせならこの対応をする、顧客の温度感や求めていることが分かってきたらこの方法を使う、と自分の中でマニュアル化することもできます。さらに、日々の業務で培ったコミュニケーション能力を使って、任せられる案件は他の人にも頼るという対処方法を見つけることで、上手に解消していくのが理想です。

社内外で会議や資料作成が多い [カスタマーサクセスがきつい理由3]

カスタマーサクセスの仕事では、社内・社外で人と接する機会が多いです。そのため、顧客と打ち合わせした内容を議事録としてまとめて、相違が無いか確認したり、それを社内会議用にリメイクしたりと、打ち合わせやそのための資料作成などの準備が頻繁に発生します。

ひとつの案件に集中できれば良いですが、複数案件を対応していると、ひとつにかかりきりになることが難しく、新たに発生した案件のために時間が取られることで、どんどんきつい状況に陥ります。あらかじめスケジュール管理や資料のフォーマット化など効率アップの方法を覚えたり、議事録などは手助けしてもらったりなど、抱え込みすぎないようにしましょう。

カスタマーサクセスの求人が多い業界

この仕事の求人が多い業界

ソフトウェア業界 [カスタマーサクセスの求人が多い業界1]

業務改善や効率化、在宅ワークといったニーズが高まっていることもあり、ソフトウェア業界は非常に活発な市場です。カスタマーサクセスの求人が増えていることもあり、求人が多い傾向にあります。

▼求人が多い理由
これは、自社が開発したソフトウェアを顧客の通信環境で使用するので、提案・導入・その後のサポートなど、一連の流れを行うポジションが必要だからです。

おさむ編集員

今後も大きく発展する可能性が高い業界なので、導入初心者から玄人まで対応できるよう、柔軟に知識を蓄えることを意識しましょう。

通信業界 [カスタマーサクセスの求人が多い業界2]

インターネットを使ううえで欠かすことができない通信業界は、固定回線・無線回線・衛星通信など、情報通信を行う設備の設置・コントロール・改良などを行うため、色々な場所で求人が出ています。

▼求人が多い理由
IT技術の進歩に合わせてインフラ整備が加速し、さらに在宅が増えた近年は、人手不足が理由で求人が多い状況です。

おさむ編集員

通信業界は継続的に利用される業界です。カスタマーサクセスでは他社と差別化を意識し、自発的に意見を吸い上げ、効果的な提案ができるように努めましょう。

WEB業界 [カスタマーサクセスの求人が多い業界3]

WEB業界は、SNSやeコマースなどを扱うので、顧客のお客様が消費者という場合が多く、反響が分かりやすいことから、フットワークの軽い人が求められる傾向があります。

▼求人が多い理由
SNSや通販などの利用者が激増し、WEB業界ではさまざまな求人が多いです。他へ流れないよう顧客フォローを担う、カスタマーサクセスの人材も広く求められています。

おさむ編集員

企業によっては、導入後すぐに修正や変更など、こまめな調整依頼が入りやすい傾向があります。優先順位を考え、丁寧な対応を意識しましょう。

カスタマーサクセスの年収を紹介

この仕事の年収を紹介

平均年収/中央値

カスタマーサクセスは、大きなくくりでは「営業職」としている企業が多いです。ITに関わる営業職の平均年収は300~600万円と業界ごとに大きな差がありますが、カスタマーサクセスは需要が高まっていることを受け、平均値が472万円と、他業界の営業よりは高い水準です。中央値は発表されていませんが、一般的に平均値よりは少し下がる傾向があります。

年齢別(20代/30代/40代/50代)

IT業界では、正社員から派遣、フリーランスまで、さまざまな雇用形態があります。また、経歴が長くなるほど任される案件や仕事量も増えるため、年収アップに繋がりやすい特徴があります。

営業職の金額ではありますが、参考として、20代であれば371万円、30代494万円、40代は577万円、50代は675万円というデータがあります。

役職別(一般/主任/係長/課長/部長/役員など)

役職別で見てみると、IT業界では部長クラスで1,127万円、課長クラスで900万円、係長クラスで670万円というデータがあります。こちらも業界や企業の役職分け、対応業務などで大きく異なるので、ひとつの目安として参考にしてください。

カスタマーサクセスは比較的新しい名称ですが、役職が上がるとより高度な知識やスキル、折衝能力が求められ、それに比例して年収も増加する傾向があります。

カスタマーサクセスの仕事に就くメリット

メリット

メリット1:他業種の事業成長に携われる

サブスクリプション型のサービスを行う企業を中心に営業スタイルが大きく変化し、契約後の顧客の成長と利益増加を目的とした活動が活発になっています。異業種と関わることが多いので、色々な業界に詳しくなるでしょう。また、自分が関わった事業が成長する体験を通して、やりがいや成功体験を味わえます。

ITはどの分野にも深く根付いています。カスタマーサクセスを配置するような会社は既存顧客を大切にする安定企業が多い傾向があり、雇用の安定というメリットがあります。

ななか編集員

アイデアや提案が求められるカスタマーサクセスの仕事は、既存顧客以外にも広い視野でターゲットを探すことができます。新しい業種と自社の繋がりを考えることで、さらに事業展開を広げることができるでしょう。

メリット2:専門性の高い知識が身につく

通信やソフトウェアなど、入社した会社の業界と、その横の繋がりがある業界に詳しくなることができます。特に、IT業界は情報を常に更新しているので、時代の最先端で専門性の高い知識やスキルのブラッシュアップが可能です。

IT業界で活躍できる基本的なスキルや資格の取得が目指せるほか、顧客とは長い付き合いになることが想定されているので、顧客の扱う業界に関しても知識を増やすことができます。

ななか編集員

カスタマーサクセスは、自社・顧客の知識を広く把握しておくことで、多くのメリットがあります。資格やスキルと合わせて、業界の傾向もキャッチしておくことをオススメします。

メリット3:転職でキャリアアップしやすい職種

カスタマーサクセスは、IT業界で求人が増えつつある職種です。IT業界に関して基本的な知識は持っていますし、システム導入など大まかな流れも把握していることが多く、導入後のサポートや経験した営業先(顧客)の業界知識も持っているという点から、即戦力として期待できるからです。

成長中の企業であれば、カスタマーサクセス経験者というだけで、ノウハウを持っていると期待されるので、転職をするうえで重宝される存在となるでしょう。

ななか編集員

大まかな流れや知識は同じでも、転職先やその顧客によって、全く経験のない業界に関わることがあります。柔軟に対応し、フットワークが軽く、勉強にも前向きという積極性を意識しましょう。

カスタマーサクセスの仕事に就くデメリット

デメリット

デメリット1:顧客から急な呼び出しが入りやすい

導入後は、リアルタイムで顧客がシステムを利用します。なにかトラブルがあれば顧客の業務が停止し、支障をきたすので、急な呼び出しが多い傾向です。ただし、導入した顧客が操作やトラブル対応に慣れてくれば、こうした連絡は落ち着いてくるという意見もあります。

顧客の営業時間が自社と異なる場合、プライベートの時間でも、確認や連絡が入ることがあります。オンオフをきっちり分けたい、プライベートは一切仕事と分けたいという人にとって、大きなデメリットとなります。

おさむ編集員

導入直後であれば、ある程度連絡が来る可能性を頭の隅にいれておきましょう。ただし、緊急度や「どうしても」の範囲に関しては自社のスタンスを事前に顧客へ伝えることも必要です。

デメリット2:顧客と社内との板挟みになる

顧客の要望を解消するために社内で改良を行いますが、どうしても折り合いがつかないことがあります。その折り合いがつくまでの板挟みがつらいと感じる人もいます。

相手の視点になってものごとを考えることはカスタマーサクセスの仕事において大切ですが、そこにある感情まで一緒に引き受けてしまう感受性豊かな人には大きなデメリットとなります。

おさむ編集員

顧客に寄り添いすぎても自社を圧迫しまうので、要望を深掘りして、その背景にある解決したい悩みをいろいろな角度から見てみましょう。そのうえで、開発サイドと連携して「根本の解消」を一緒に考える立ち回りが理想です。どちらも敵対しているわけではなく、課題に対してアプローチするという視点に切り替えてみましょう。

デメリット3:継続サポートとノルマの両方が負荷になる

カスタマーサクセスの原点は、双方の成長や利益を増やすことです。一定の利益を継続させるのではなく、常にアクションプランを考え、ノルマ達成に向けて継続サポートの見直しをしたり、成長に繋がる動きをしたりしなくてはなりません。

問題が起きてない状態でも、常に何か改革するよう考えることもあるので、安定志向の人には負担と感じることがあります。

おさむ編集員

継続サポートは定期的にコミュニケーションを取り、「ちょっとした相談」なども気軽に受けられるよう意識すると、改善のアイデアの種が出てくることがあります。ノルマに関しても、自社の数字だけを追うのではなく、今の顧客との関係性を鑑みて、目標設定を見直すことも視野に入れましょう。

カスタマーサクセスの仕事に就く方法

この仕事に転職する方法

方法1:転職サイトの公開求人から探す

IT業界に強い転職サイトであれば、「カスタマーサクセス」「営業」「セールスエンジニア」といった職種名で求人が出ています。企業によっては、ノルマが無いもの、法人営業経験があればIT業界は未経験でもOKなものまで、さまざまな取り扱いがあります。

最近では外国を対象にした商材もあるので、語学力があれば未経験でも歓迎される求人もあります。それぞれ業界やカスタマーサクセスとしてどの範囲まで業務を担うのかが大きく異なりますが、いずれも新しい営業のスタイルとして急成長な分野なので、比較検討してみましょう。

方法2:転職エージェントに非公開求人を紹介してもらう

転職エージェントはあなたの経歴やスキル、希望などから求人を紹介し、面接までの段取りや求人傾向など、多くのサポートをしてくれるサービスです。多くの場合、求職者は無料で利用することができます。

公開求人と異なり、カスタマーサクセスやセールスエンジニアは扱う商材が特殊なことも多いので、転職エージェントを通して非公開で求人募集を行っている会社もあります。公開求人と並行して、転職エージェントを利用するのがオススメです。

方法3:知人や友人の紹介をもらう

紹介や推薦を意味するリファーラル採用は、従業員や関係者がその会社に人材を紹介することを指します。IT業界は横の繋がりも広いので、スキルや人柄などを把握したうえで採用を行うことができ、新規雇用に比べて、企業としては前向きな姿勢が多いです。

求職者としても、知人や友人からその会社のカスタマーサクセスに求められていることや実情を教えてもらうことができるので、入社後のギャップが少ないことから、離職率も低い傾向があります。

今後へ向けてのアドバイス

今後へ向けてのアドバイス

SaaS業界をはじめ、多くの業界で注目されているカスタマーサクセスの仕事は、契約と同時に、顧客が長期的に成長して利益を増やすことで、自社の利益・成長にも繋げるやりがいのある職業です。

売り切りが主力だった従来の営業職とは異なるスタイルということもあり、自分は営業に向いていない人と思っていたタイプが、実は顧客からいろいろな話を聞き出せるスキルがあった、ということも起こります。

一般的にはフットワークの軽い積極的なタイプが向いてる人とされるカスタマーサクセスですが、興味のある業界が成長する一端を担うというやりがいが感じられることでしょう。業界とともに自分のキャリアも大きく成長させることができる、新しい営業職に挑戦してみませんか。

「カスタマーサクセスの仕事」に関するよくある質問

よくある質問
カスタマーサクセスに向いてる人は?

タイプ別では、「共感性が強い人」「ロジカル思考が強い人」「主体性が高い人」の3タイプに当てはまる人が、カスタマーサクセスに向いてる人です。

カスタマーサクセスには向いてない人は?

カスタマーサクセスに不向きなのは「内向的な人/飽き性な人/自己中心的な人」の3タイプです。長期的な検証や改善施策について、周囲と協力しながらも、担当分野を主体的に動かす必要がある仕事なので、これらの性格の人向きではありません。

カスタマーサクセスのやりがいとは?

カスタマーサクセスの仕事をする人が“仕事のやりがい”として挙げることは、「企業の課題を外から解決へ導ける」「商材の課題を開発へフィードバックできる」「異業種でも活きるキャリア形成ができる」の3つが代表的です。

カスタマーサクセスは何がきついの?

カスタマーサクセスの場合、きついと感じるのは次の3つの場面であると言われています。①IT知識のアップデートが欠かせない、②個別対応が多く業務過多に陥りやすい、③社内外で会議や資料作成が多い、このような順番になっています。

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F.Osamu外部編集員
中堅人材紹介会社の経営者。 既婚、子供2人、転職回数:5回、年収1,200万円、資格:なし。自己分析が腑に落ち、強みを発揮するコトに注力して道が拓けたタイプです。仕事以外では、適職発見同好会の立上げメンバーとして、転職者向けメディア「向いてる仕事.com」の運営を経験。転活ラボの外部編集員として活動中。