年間休日120日という休みの数は多いのでしょうか、それとも少ないのでしょうか。既に就業している人、これから年間休日数の多い会社へ転職する人へ、具体的な計算方法や内訳を解説。年間休日120日以上の仕事と、120日未満の仕事の代表格を各3つ紹介しながら、今後、休みを増やすための方法を紹介します。
今の仕事場で、満足できる年間休日数じゃない人は、これからホワイト企業と思える会社と出会って、理想のキャリアを思い描くためのの参考にしてみてください。
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年間休日120日とは?
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年間休日数について、キャリアカウンセリングの場でよく年間休日120日希望という人がいますが、実際の休日平均は何日くらいなのでしょうか。休日の計算方法や、年間休日120日以上とりやすい仕事・とりづらい仕事を知って、転職活動に活かすヒントにしてください。
年間休日の計算方法と考え方
年間休日120日に含まれるのは、企業が定めた所定の休日、その他に年末休暇や夏季休暇といった、社員が平等に休むことができる休暇も、年間休日の扱いとなります。
▼計算方法
- 1年=52週間(2,085時間)
- 2,085時間=260日
- 365日-260日=105日(最低保証休日数)
- 105日+16日(国民の祝日)
- 答え)年間休日121日
※年間休日121日=一般的に120日として一括にされます。
この計算の考え方
1年を週換算すると52週なので約2085時間、日数にして260日が労働の上限時間です。この計算方法で考えると、残った105日が最低限保証された休日ということです。その上で、国の定めた年間の祝日16日も全て休みだった時に、年間休日120日になります。もし年間休日120日以上という記載の企業があれば、別途企業が設けている長期休暇等を含めた休みをとることが可能だと考えると良いでしょう。
120日の内訳
年間休日を120日としている会社で働く場合、1週間の内5日は勤務する必要があり、残りの2日間は休みということになります。加えて、全ての祝日も休みという扱いです。
休日が土日か平日かの違いはありますが、長期休暇は含めずに、概ねカレンダー通りに休むことができる勤務スケジュールです。
なお、法定休暇として権利を認められている介護休暇や、社員の持っている有給休暇は年間休日に含みません。あくまでも平等に与えられた休日のみのカウントとなります。
年間休日120日は「多いの?」
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カレンダー通りの土日祝で休みをとれば120日になるので、決して多いということはありません。ごく一般的な日数と言えるでしょう。それでも、年間休日120日に満たない会社も多い中では、平均以上の扱いとなっています。
求人を探す際にみんなが気にする理由
就職や転職において気にする項目として、年収と同程度に、年間休日を確認する人も少なくありません。必要な休養がとれないと、仕事でもコンディションが悪くなり、十分な力を発揮できないでしょう。
また、休日をしっかりとれることで趣味にも時間を使うことができ、仕事とプライベートの切り替えがしやすくなります。長期休暇もとりやすく、旅行なども楽しめるでしょう。
そして、年間休日が十分に設定されている会社では、休日以外の福利厚生や労働環境も整っていると考える人が多いことも挙げられます。もちろん一概には言えませんが、その会社がホワイト企業なのかを判断する一つの材料として、休日数を参考にするという理由もあるようです。
年間休日120日は休みが多い方なのか
企業を選ぶ際に、実際は年間休日数として125日以上欲しいと考えている人も少なくありません。というのも、週休2日と祝日の休みで年間休日が120日となるので、その場合は年末年始の休みや夏季休暇が存在しないことになります。
長期休暇も取得可能である年間休日125日以上の企業なら、プライベートな予定も立てやすいので、まさに理想的な休日数だと言えるのです。
最近では週休3日を導入している企業も見られることから、年間休日が130日以上になる企業も今後も増えていく可能性があります。
しかし、厚生労働省の調査でも、120日以上は全体の31.8%、130日以上においては2.9%という数字になっており、120日は全体の中でもかなり休日が多い部類に入ります。
年間休日数の平均と最低について
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厚生労働省の行った就労条件総合調査によると、令和2年度の平均年間休日数は109.9日となっています。年間休日数の平均は、約半数にあたる51.4%の企業が100日以上~120日未満という結果となりました。また、企業の規模が大きい程、休日数も増える傾向となっているようです。
最低105日
原則として、労働時間は週40時間まで、と労働基準法で定められています。そのため、1日8時間働くフルタイムの場合、1週間の内5日間が勤務日で、残りの2日間を休日に充てる必要があります。
毎週2日休みを取った場合、年間105日の休日が取得できる計算です。フルタイムの正社員なら、この105日は法律で保証された休みではあるものの、最低限のラインなので多いとは言い切れない数字です。
長期休暇は基本的に無いものとして考えないといけませんし、祝日が勤務の日もあるでしょう。1日の労働時間が短い場合はこれに当てはまらないケースもありますが、一般的な勤務時間で働くことを考えると、最低限の年間休日がしっかりと設けられている企業なのか、よく確認する必要があります。
年間休日120日と平均的な日数を比較
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年間休日120日と平均的な日数を比較した結果を解説しますが、企業の平均的な休日数と年間休日120日を比較した場合に、どのような違いがあるのでしょうか。象徴的な3つの違いについて確認していきましょう。
年間休日120日なら年10日は多く休める
調査結果の平均的な年間休日が約110日ということからも、年間休日120日なら、単純に10日間多く休むことができます。8時間勤務していた場合、80時間分、自由に過ごせる時間が増えるということです。
また、有給休暇は年間休日にカウントされないため、それを加えると、さらに休日の日数が多くなります。1週間以上の差があれば、疲労の溜まり具合にも違いが出てくるでしょう。
年間休日が120日あれば、平均的な企業と比べても、十分に心身をケアしながら働くことができると言えます。
年間休日120日あれば休日の予定が立てやすい
年間休日が少ない企業では、シフト制などで曜日も定まらず、まとまった休みもなかなか取得できません。しかし、年間休日120日以上の会社なら、休日がしっかりと定まっていることが殆どです。
そのため、予定が立てやすく、計画的に休みを過ごすことができます。土日が休みの会社であれば、学校の休日とも合わせることができ、家族と過ごす時間も十分とれるでしょう。
ゴールデンウィークや夏季休暇などの長期休暇も取得可能で、趣味や旅行などの予定を楽しむこともできます。
年間休日120日だと平日の労働時間が長い
年間休日が120日あれば、仕事とプライベートをしっかりと両立できるとはいえ、休日は多ければいい、といった理由だけで企業を選んでしまうのは、少し考えなければいけません。休日が少ない企業はその分労働時間が短いこともあり、必ずしも悪いとは言い切れないのです。
いくら年間休日120日の会社に入っても、1日8時間に加えて残業が発生することが多いかもしれません。反対に、年間休日120日に満たなくても、1日7時間以下で残業も殆どないといった企業もあります。
このように、年間休日が多くても、単純に多く休めるとも言い切れない部分があります。
年間休日120日の仕事
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休みがとりづらい仕事もあれば、比較的休みを多くとれる仕事もあります。実際に年間休日120日を確保できる仕事に就きたいと考えた時に、どのような職種から探すと良いのでしょうか。
メーカー系 [年間休日120日の仕事 1/3]
メーカー系の仕事は、主に、工場などでの部品を組み立てる製造業を指します。
年間休日120日ある理由
一般的な企業よりも休日が多い理由としては、まず使用する機械のメンテナンスによる定期的な休みが入るからです。そして、基本的に下請けとして作業に当たることが多いため、指示を出す親会社やクライアントの休日に合わせて工場自体も稼働させない所もあることから、比較的年間休日が多い職種となります。
年間休日120日あるメーカー系の仕事
- 自動車部品製造
- 電子部品製造
- コンピューター製造
- 通信機器製造
- 家電製造
などの分野に従事する仕事の人たちが、メーカー系の企業の中でも年間休日数120日となっています。
土日休みの企業が多くなりますが、3勤交代制の工場なら、おおよそ3日に1日程度は休日となります。全体的に見ても、安定して決まった休みを取得しやすい仕事と言えます。
金融系 [年間休日120日の仕事 2/3]
都市銀行をはじめとする金融機関を中心とした、お金の流れに関わる職業です。
年間休日120日ある理由
銀行は基本的に土日の営業を行っていません。そのため、完全週休2日、加えて年末の休暇も取得できることが殆どです。銀行での決済が不可能であれば、それによってサービスの提供が難しいカード会社や生命保険会社なども、必然的に銀行の休みに合わせた営業スタイルとなります。
年間休日120日ある金融系の仕事
- 銀行
- 保険会社
- 車や機械のリース会社
- 信販会社
- クレジット会社
などの分野に従事する仕事の人たちが、金融系の企業の中でも年間休日数120日となっています。
カレンダー通りの休日が通常なので、年間休日も120日以上となります。土日祝日に休みを取りたい、という人には最適な仕事です。
IT系 [年間休日120日の仕事 3/3]
IT業界は幅広く、通信技術の管理からアプリケーションの開発など、様々なテクノロジーの発展運用に携わる職業です。
年間休日120日ある理由
IT業界では基本的に、個人ではなく企業向けにサービス提供を行うため、取引先に合わせて土日休みになることが多いのです。外部からの仕事を請け負うアウトソーシングも、依頼元の企業の休みに合わせることになるので、こちらも土日休みの週休2日制となり、年間休日が多くなりやすい仕事です。
年間休日120日あるIT系の仕事
- インターネット上でのサービス提供を手掛けるASP会社
- 通信販売を行うECサイトの運営会社
- ハードウェア・ソフトウェアの開発
といった仕事をシている人たちの職場は、年間休日120日と定まっている傾向があります。
忙しいイメージを持たれやすいIT業界ですが、カレンダー通りの休日が取りやすい業種でもあります。
年間休日120日休めない仕事
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年間休日120日を取得したいと思っても、実際には年間休日120日を叶えるのが難しい仕事をしている人も少なくありません。これは企業単位で異なる状況がありますが、ここでは、どんな仕事をしていると120日休めないのかについて紹介します。
メーカー系 [年間休日120日未満の仕事 1/3]
ここで紹介するのは、工場勤務での製造業務にあたりますが、納品先が直接店舗になることが多いメーカーです。(先述したメーカー系とは内容が異なります)
年間休日120日ない理由
依頼元がアパレルや建築業だと、土日でも営業していることが殆どです。もともと休日の少ない業種の作業を請け負うため、メーカー側も休みが不定期になりがちで、納期が短い場合には休日を減らしてでも、常に対応しなければなりません。人手不足も相まって、余計に休みを取得しづらい状態になっています。
年間休日120日ないメーカー系の仕事
- ハウスメーカー
- 建材メーカー
- 顕在素材メーカー
- 服飾雑貨メーカー
これらのメーカー系企業で勤務する人たちは、年間休日120日未満で働いている傾向があります。
休日がしっかりと確保されたメーカーも存在しますが、休日が不定期で、稼働状態によっては急な休日出勤が発生することも少なくないので、全体的な年間休日は少ない業種と言えます。
メディア系 [年間休日120日未満の仕事 2/3]
ここで取り上げるメディア系は、雑誌の出版や、広告制作に携わる仕事になります。
年間休日120日ない理由
基本的に請け負う仕事に対する納期があらかじめ決まっているため、〆切前には業務が立て込むことも少なくありません。担当している案件や取材対象によっては、休日でも時間を作って仕事をする日もあるので、決まった休みが取れるとは限らないようです。代休が認められているものの、実際には次から次に納期があるため、安定した休日を取得するのは難しい仕事となっています。
年間休日120日ないメディア系の仕事
- 広告代理店
- 出版社(編集や営業)
- 印刷関連の会社
これらの企業では、年間休日120日未満を規定している傾向があります。
クリエイティブな仕事ではありますが、その分、常に成果物の〆切に追われる職種なので、仕事の進捗によって休日が左右される仕事です。
サービス系 [年間休日120日未満の仕事 3/3]
個人の顧客を相手にするサービス業や、生活に関係する仕事に携わる人々を指します。
年間休日120日ない理由
サービス業は特に安定した休日が取りづらい業種です。多くの人が休む土日や連休は、サービス業にとっては仕事が入るものだと考える必要があるでしょう。また、インフラに関わるサービスは緊急度が高く、休日出勤もあるため、年間休日も少なくなる傾向にあります。
年間休日120日ないサービス系の仕事
- 介護福祉
- 士業関連
- 設備保守点検
- 建物管理
- エネルギー供給
といった曜日関係なく勤務する対人サービスの場合、年間休日120日未満になりがちです。
サービスを受ける側に常に動きがあるので、安定した休日を取得しづらい職種です。フリーランスで業務請負をしている人も、顧客ベースでの休日なので、特定の休日を設けることは難しいと言えるでしょう。
年間休日を増やす堅実なテクニック
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実際には年間休日が120日に満たなくても、工夫次第では休日の日数を増やすことができるかもしれません。今の年間休日よりもう少し休日を増やしたいと思った時に、個人でもできることにはどのような方法があるでしょうか。
有給休暇を使って増やす!
法律によって、労働者には有給休暇を取得する権利が定められています。6ヶ月以上勤務しており、労働日の8割以上出勤していれば、雇用形態に関係なく、必ず支給される決まりになっています。
入社後、最初の有休付与は年間10日与えられ、勤務年数が増えると、最終的には年間20日までの有休を使用することが可能です。最近では入社後すぐに有給休暇を支給する企業もあるため、積極的に活用すると良いでしょう。
120日を超える休暇は取得可能!
年間休日自体を増やすことはできなくても、有給休暇を使って連休にするなど、工夫次第で年間休日120日に近づけたり超えることもできます。
2019年から、企業は最低でも年間5日の有休を労働者に取得させることが義務化されたので、より休みを取得しやすい環境に変化していく兆しが見えます。
有給休暇は権利であり、企業側は原則として申請を断ることはできない決まりなので、現状の年間休日にやや不満がある場合には上手く利用しましょう。
年間休日120日以上にしたい人へのすすめ
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確実に休日を増やすのであれば、休暇を取得するのが一番早い方法ですが、あくまでも一時的なものです。中には有給休暇が取得しづらい仕事の方もいるかもしれません。そういった場合に試せる方法もいくつかあります。
社内に120日休める仕事があれば移動を願い出る
社内にいくつかの部署が存在している場合、業務内容によって、休日の取り方に差がある企業もあります。
年間休日120日に近づける仕事があるなら、社内での異動を申し出てみるのも1つの方法です。
異動先の業務内容が全く畑違いの場合、苦労するかもしれませんが、対応可能なものであれば受け入れてもらえる可能性もあります。
社内で解決したいという人は試してみると良いでしょう。
業務効率化を推進して経営者と交渉する
現状の年間休日数への不満を、上層部に直接交渉する方法もあります。これまで不満が出たことがなかったから気付かなかった、という企業も少なくありません。
もし同じような気持ちを持っている社員が他にもいれば、団結して交渉することで、改善される場合もあります。
あまりに条件が悪いのであれば、必要に応じて、労働基準局など外部に助力を求め、年間休日を増やすよう働きかけましょう。
休みが多い会社へ転職する
社内での行動では改善が難しいのであれば、年間休日数の多い会社への転職も視野に入れてみると良いでしょう。
求人サイトで探すなら、希望する年間休日数で絞って検索してみることです。また、転職エージェントのアドバイザーに意見を聞けば、仕事内容などを詳しく教えてくれます。
休日の多い職種で選ぶ際には、企業の求人条件で不明な部分が無いかを確認して、入社してからイメージと違ったということが無いように注意しましょう。
まとめ(今後へ向けてのアドバイス)
年間休日120日を安定して取得できる企業は、平均以上として、一種のボーダーラインにもなっています。
休日が少ないからといって一概に違法な労働環境とは言い切れませんが、心身ともにストレスなく働くためにも、年間休日が少しでも多い企業で働きたいと考えることは間違いではありません。
年間休日が多いことでのメリットや注意点も把握した上で、自分がどの程度の休みがあれば快適に働けるのか、バランスを考えて、できることから行動しましょう。
転職活動の際に、単純に休日数だけで企業を選んでしまうと、やりたくない仕事を担当することになったり、今より悪条件の求人に引っかかってしまったりするかもしれません。
年間休日以外の条件もよく見た上で、働きやすい仕事を選んでください。
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年間休日120日について「よくある質問」
フルタイム勤務する人の最低年間休日数は105日であると法律に定められています。そのため、比較すると15日多く休むことができる点で、多い方であると言えるでしょう。
休日が増えると、その分、日頃の業務量が多くなる可能性はあります。しかし、それは会社単位で異なる事情があるため、一概にはいえません。そのため、転職をする場合は、転職エージェントなどの仲介者に依頼して、その会社の実態を探ってもらうことが予防策となります。
いいえ、決してそのようなことはありません。有給休暇、傷病休暇、冠婚葬祭など会社単位で様々な福利厚生制度などもあり、休みをとる方法は色々とあります。
転職活動などで求人票を確認することがありますが、その際、年間休日数120日以上であるかを良し悪しの判断材料とする人は多いようです。ご自身や家庭のことなど、不安材料がある場合には、キャリアコンサルタントなどプロの人に相談してみることをおすすめします。
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