自分に向いてる仕事がわからないという理由で適職診断を探している全ての人へ警告!適職診断テストの中身は、あなただけを診断して、無理矢理に職種と結びつける危険な『ミスマッチ量産マシーン』だという事実を知って、就職・転職の失敗を防止しましょう。
適職診断で、本当に無照る仕事なんてわからない!ということは、心理学の心得がある人や、キャリアコンサルタントの人はみんな知ってるんです。当たるのは性格だけというのが実態。
何でもそうですが、ツールは道具なので、すがりついては危険です。盲目の安心と引き換えに、思考停止して、仮想現実を受け入れたりしたらミスマッチ製造マシーンである適職診断開発元の思うつぼなんです。だから、使う前にこの記事を参考にしてみてください。
適職診断とは
適職診断を実際に使って、診断結果が表示されたとき、自分の性格について客観的な見解が示されます。そこまでは、性格診断と同じなのですが、適職診断ツールの場合、自分に向いてる仕事は何かという問いへの答えとして『業界・職種・向いている理由』が表示されます。
ここで注意すべきポイントは、『性格診断』がベースになっているという点と、『自分だけを診断している』という点の2点です。
向いてる業界・職種は、果たしてどのような仕組みをもって、私たちに提供されているのでしょうか。それは、単純な仕組みで2通りしかありません。
1つ目)経験則から無理矢理に結びつける方式
2つ目)アンケート回答者の診断結果+転職成功した業界・職種と照らす方式
少し冷静になれば、適職診断がいかに危険かがわかります。試しに、適職診断というキーワードを検索して、いくつかの無料ツールを利用してみましょう。診断結果が、サイトによって違いすぎて、全く参考になりません!
ただし、自分の性格特性を知るためには有用なので、自己分析に活用する目的での利用は推奨することが出来ます。
適職診断なのに企業を診断していない
本当に自分に向いてる仕事なのかについて、私たちのような適職診断利用者が、真に知ろうとした際に不可解に感じること。それは、適職診断という割には、企業側を診断していないという点です。もしも、企業側の上司・同僚候補者の診断が出来ているなら、相応の手間がかかっているはずなので、適職診断ツールの開発&運営をする企業としては、大々的に広報することで得られるメリットの方が大きいはずです。
現在の日本に存在する、業界×職種ごとに、実際に従事している人達に対しての適職診断や性格診断による調査を実施するためには、億単位の高額なコストがかかることが推察できます。
▼その根拠はこちら
独立行政法人労働政策研究・研修機構(法人番号:9011605001191)が公開している、第4回改訂厚生労働省編職業分類-職業名索引によれば、2011年段階で、日本国内に存在する職業名称は『17,209』あるという事実が明記されています。(証拠材料はこちら)
その上で、一般的なアンケート調査を実施する際の報酬額は、500~3,000円程度なので、計算すると、一人あたり500円で回答を得た場合は「860,4500円」、3,000円で回答を得たとしたら「51,627,000円」の経費が必要です。
更に、上司・同僚候補者の各1名、計2名として2倍のコストがかかるでしょう。当然ながら、本当の適職がわかるようにするなら、配属される予定の部署全員の診断が必要になります。そうすると、1億円を優に超える金額の調査コストが必要です。
決め打ちだから本当の適職診断じゃない
結論、本当に自分に合うかどうかは『わからない』中でも、最低限の傾向がわかるようにデータを収集して分析、心理学やキャリアカウンセリングに精通する学者や専門家が集まって開発したものが、現時点で提供可能な適職診断と結果なのです。
要するに、会員登録させて、個人情報を収集するための手段であり、登録のお返しとして「大まかな適職はコレですよ!」というベターな診断結果を無料で提供しているというビジネスライクな話という事なんだよね。
無料なんだし、当然と言えば当然ですよね。特に人材紹介会社が運営している適職診断は、その最たる例。
ま~、それもそうか。就職・転職などのエージェントとしては、人材を紹介して、3ヶ月間は定着しないと、使用企業への返金リスクもあるわけだからね。
そうそう。人材紹介会社の場合は、特に、採用企業からの紹介報酬で事業が成り立っているから。
まずは会員登録を優先しているから、適職診断ツールの利用は無料ということだよね。互いに利害が一致したらいいという結論に至っているというのが、今の適職診断のレベルを生んでいるんだろうね。
だからこそ、事実を知った上で利用することが大切。現実から目を背けて、向いてる仕事がわからないから適職診断ツールに全幅の信頼を寄せる。というのは、単純に「すがりつく」事にしかならないし、現実逃避につながるから危険なんですよ。
本当の適職診断は自分にしかできない
前述した通り、現在の適職診断には、運営会社が存在していて、その会社にはツールを開発するためのコストが重くのしかかります。企業が提供する以上は、相応のメリットがないといけません。そのメリットというのが、会員登録をさせた後に得られる『個人情報』なのです。
つまり、本当に自分に合っている職業を判別して、適職を診断することが出来る人は、他ならぬ『自分自身のみ』というのが現実なのです。
適職診断ツールの設問に回答して得られる結果は、『向いている可能性がある仕事はコレですよ!』というレベルまでなのです。だからこそ、診断結果を過信してはいけません!
会社というのは、人と人の集合体なので、どうしても外からは見えないブラックボックスができてしまいます。適職診断だけで、自分に向いてる仕事がみつかるなら、ミスマッチに悩む人は劇的に減っているはずなのに減るどころか、社会情勢が悪化するにつれて増加してしまっています。
大切なのは自己分析と他己分析。
求人を出している企業の内情に詳しいのは、実際に就業している既存の社員、もしくは人材を紹介しているエージェントの営業担当者とキャリアカウンセラーというのが実態。
自分だけで考え続けて時間を浪費するくらいなら、専門家に相談しながら、適職診断で自分の性質を分析。いままでのキャリアを棚卸ししての自己分析にも真摯に取り組むことが近道。
自分の人生は、自分自身が責任をもつわけですが、やり方がわからないときはプロに聞けば、自分だけでは出せなかった答えにたどり着くメリットがあります。本当に自分にしかできないこと、それは『最終の意思決定』なので、適職診断に頼り切るのではなく、自他の意見を総合的な視点で捉え、本当に自分にあう仕事をみつけることがミスマッチの未然防止に直結します。
まとめ
適職診断ツールがミスマッチ量マシーンとなる理由は明白ですね。結論、どんなときも自分のキャリアを決めているのは自分自身であり、他人には責任がもてないということなんです。
一般的に無料で公開されている「適職診断ツール」がポンコツなのではなく、自分に向いてる仕事が何かということを考えて、悩む過程で、自分自身が思考停止状態となり、システムが出す答えに対して責任転嫁しているというのが実態。
近年はAIを活用した適職選びがありますが、あくまでもシステムなので、データベースが自分に合っていなかった場合は、ミスマッチとなることは判断できますよね。
データと判断材料があって結果がだせます。
ただし、職場ごとの診断を行って、正確なマッチ度を算出できる無料ツールは皆無なのが実情です。あなた自身だけの診断では不十分です。採用する企業側の診断結果があってこそです。それでさえも、正確な適職かを判断することは至難の業とうことなんです。
さあ、危険性がわかったところで、上手に使いながら自分に合う仕事探しを再スタートさせましょう!
これだけではありません。他にも、ツールの基幹システム開発コスト、適職診断の精度を向上させながら適切な運用をするためには、更なる被験者データによる学習が必要となるはずです。