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農業は未経験からでも転職できる
農業は未経験から転職できる職業で、働きながら農業を勉強しながら就農する方法がいくつかの選択肢としてあります。働きながら進められることでいえば、家の庭で始める自家栽培、農業の技術や知識を学ぶための社会人向けスクール、徹底的に農業の技術や知識を学ぶことのできる全寮制の農業大学校といった選択肢があります。
農業の多様な働き方がある中で、自分に合った働き方を知ることで農業への転職をする1番の近道となってきます。
この記事では、農業の現状把握/未経験からの転職活動の進め方への理解を深め、メリット/デメリットが自分のイメージする将来像と比べてどう感じるか、就労形態や仕事の探し方~独立開業する方法までを徹底的に解説します。新規就農を検討する人が、その人生設計をするために必要なスタートアップについて、着実に成功へと向かうためのお役立ち情報をご覧ください。
未経験から農業への転職活動「進め方」
今までの社会人経験を活かせる未経験から農業へ転職するには、求人探しをする前に自分の考えをまとめることが重要です。転職活動の進め方としては、農業の理解を深めることから始め、自分への「評価軸」を持って転職先が調べることができたら、応募書類を作成し面接を受けるための準備をしながら転職活動は進めていきましょう。
ステップ1:自分の考えをまとめる
未経験から農業へ転職することは、どんな農業がしたいのか自己分析をして自分の考えをまとめることがポイントになってきます。逆に言えば、どんな農業様式・作物・職域があるのか、どんな求人や募集要件が存在しているのかを調べながら、自分に合う仕事を探すことからのスタート。
また、ミスマッチによる早期離職を未然防止するためにも、本当に農業を仕事にしたいのか、どうして農業がしたいのか、どのように働きたいのかなど明確な目的を具体的に考えておくことで自分に合った転職先と出会いやすくなります。
事前に働き方に対する自分の考えがまとまっていれば、面接で聞かれた時に志望動機を明確に伝えることができるので転職活動では必須項目です。
ステップ2:農業についての理解
農業界にはさまざまな種類の仕事があり、米や穀物、野菜や果物を育てる「耕種農業」、酪農や養豚や養鶏などの「畜産農業」、農産物の生産から販売までを総合的な農業の「アグリビジネス」に分類されます。
独立開業を目指す場合、業種によっては経営の仕方や仕事の内容が異なってきますので、事前にやりたい農業について詳しく知らべましょう。実際にやってみたい人は、就農体験の企画に参加してみましょう。その際、理解の幅を広げるには、「大規模農家」「小規模農家」の両方に行ってみる方法がおすすめ。
農家の規模によって、必要な知識/経験/スキル/資格、そして向いてる性格の人はどんなタイプなのかが見えてきます。このように、現場をみることは、転職時のミスマッチを防ぐことに直結するため時間と手間を惜しまないのがコツとなります。
そして、更に重要なのは、育てる作物/家畜の種類によって異なる育て方のノウハウです。天候/飼料・肥料の仕入れ安定性/適する土地と気候の特性/土壌、近隣への影響など把握すべきことが各々に異なってきます。結果、望んでいた成果を得られなければ、継続可能な農業を実現すること事態に難が生じるため、事前調査は欠かせません。
ステップ3:求人を探して応募する
未経験から農業へ転職する求人は、農業専門の求人サイトを使用することで、待遇面や転職先の農作物へのこだわりや新人教育体制などについて就農エージェントに相談することができます。
他にも、農業の求人サイト主催でおこなっているセミナーに参加すると、就農者の話を聞けたり詳細な情報を聞くことができるのでおすすめです。
インターネットで求人を探しているならコンテンツが充実している「第一次産業ネット」から、自分が気にいる求人を探して応募しましょう。
ステップ4:応募書類の作成
未経験で農業へ転職する応募書類は、どうして未経験の農業に転職したいのか、どんな人物なのかを記載することが求められてきます。
応募書類である履歴書と職務経歴書は、人が見てわかりやすい文章であることと自分自身をしっかりアピールできる内容で作成することが重要です。
▼こんなことを経験しているとPRで有利
- 隔週・農家のお手伝いを3年以上続けている
- 実家が農家で幼い頃は応援に駆り出されていた
- 学生時代からボランティア活動に参加している
- 農業高校を卒業した
- 農産・畜産の大学を卒業した
- 運動系の部活動を経験、今でも運動が好き
- 数年間、継続して日記や日誌をつけている
書類選考段階では、応募書類があなたの代弁者となります。農業に適した人物であるか、採用側にとって、自社に合う人材であるかを判断する上で、体力や継続力は最重要項目となります。あれば尚歓迎な経験として、学歴が農産・畜産に関連していれば、確度はグンっと上昇します。
採用されるか不採用になるかの判断は、応募書類で大きく左右してきますので、面接で答えられる内容を正直な内容、求めている人物像について企業分析して、自分に当てはまる部分を意識して準備を進めていきましょう。一字一句、気を抜かず、相手の要件に寄り添って抜かりなく作成してください。
※.自信が無い人は農業専門のエージェントに相談して課題を解決しましょう!
ステップ5:面接を受ける
農業面接で遠方の場合、電話面接をおこなうケースがあります。インターネットのサイトから応募する場合は、事前に面接で必要な情報を記載するシートに記載する必要がでてきます。
電話面接では直接あっての面接ができないため、挨拶や受け答えがしっかりできるかが採用される評価ポイントとなってきます。
面接は転職者の希望する場合であれば、現地に出向き見学や体験と一緒に面接をおこなう場合があるので、服装は面接を受ける前に相談してみましょう。
面接自体は、一次面接が最終面接の農家もありますが、農業以外の業界同様に「一次/二次/最終面接」という流れを導入している法人もあるので、求人情報に記載があるかを確認してください。記載が無い場合は、直接問い合わせるか、転職エージェントが絡んでいる場合には、コンサルタント(もしくは、営業担当者)に教えてもらい心の準備をしましょう。
▼面接対策の参考にどうぞ!
面接対策スターターガイド
※サイト内のページへ移動します。
ステップ6:内定や採用の通知を受け取る
転職活動で面接を受けて内定や採用可否を受け取る連絡は、採用担当者が現場での業務を兼務していることがあって、結果が出るまでに10日程度かかる場合があります。
10日程度待っても連絡がない場合には、一度選考状況を問い合わせることがおすすめです。内定や採用をいただいたときは入社意思があることを、メールや手紙で返事を早くだしましょう。
何も返事をしなければ会社は内定を承諾するのか辞退するのかをわかりませんので、内定通知がきたら早めに返事はだすのが良い印象を与えられるポイントです。
ステップ7:入社する(転職成功)
転職活動で面接後に内定や採用通知をもらうと、次は入社の準備が必要になってきます。入社準備として会社から提示される雇用契約書を確認する必要があるのと、会社によっては年金手帳や源泉徴収票が求められることがあります。
遠方から入社の場合は引っ越しの準備が必要になってきます。会社が寮を用意してくれている場合はいいのですが、会社に寮がない場合は自分で住宅を探すところからはじまります。会社の福利厚生で住宅手当をだしてくれるところもあるので、会社に確認をとりながら入社準備は進めていきましょう。
未経験で農業転職する前の業界知識
未経験から農業へ異業種転職するなら、現在の日本の農業が抱える問題や可能性についての知識を深めて、自分に合った新規就農を目指しましょう。
日本の農業、その技術力は世界から高い評価を受けているということについては、学校の授業で散々教わってきたでしょう。テレビの特番では、「海外の干上がった土地で井戸を作るNPOやNGO団体」「砂漠に農作物を植えて見事に畑を作り上げた」等の放送をリアルタイムで見た経験が一度くらいあるでしょうから、日本の農業の凄さについては語らずとも知れていますね。
一方で、業界知識が無い状態だからこそ、就農する前に「日本の就農状況」と「課題」について少し学んでみましょう。ここからは、あなたが転職先として「農家/農業法人/独立/そのた関連企業」での仕事で生計を立て、夢を実現するためのポイントが分かるように解説します。
農家って何件くらいあるの?
転職して農業にチャレンジしようにも、日本全国には何件くらい農業を営んでいる個人経営や会社経営の農家や農業法人が存在するか分からないと、「どのくらい転職先として選択肢がありそうか」イメージがつきません。
グラフ(上の画像)は、農林水産省が調査した結果を、視覚的に比較できるように作成しました。
これによると、2000年度に312万件あった農業を営む件数が、10年後の2010年には60.8万件も減少して総農家数が「252.8万件」になってしまっています。食料を輸入にたよる日本にとって、農業の立て直しは、この上ない国家の一大課題です。そして農業を営む側の課題は下記3つです。
これが日本の農業にとって最大の課題です!
- ベテラン従事者の高齢化(歯止めが効かない)
- 後継者が就農してくれない(子供が後を継がない)
- 新規就農者が足りない(まだまだ人が必要)
注目して欲しい情報は「新規就農者数が足りない」点です。既に、農業求人サイトや農家のホームページに掲載されている採用情報をご覧になった人は知っているかも知れないですが、採用条件は『健康であること』だけの農家・農業法人が大多数なんです。採用枠が少ない業界とは異なり、未経験からでも、若年層でもミドルシニア層でも歓迎してくれる転職先が農業分野ということになります。
つまり、仕事を探している側からしたら、選び放題の超売り手市場が「ず~~~っと続いている」状態であることが分かって貰えたでしょうか。
農業をしている人は何人くらい?
農業が衰退産業と化してる現状があるものの、これから食料に対する需要は高いので、供給をする側の就農人数キャパシタンはどれくらいあるのでしょうか。農業を志すと言っても、実際に仕事をして、農作物や畜産物を世に出せたとしても、人が増えすぎては続けられないリスクがあれば安心は出来ません。
ただ、結論、『今後も募集枠は減ったりしない』日本の農業分野で人材供給過多は発生しないでしょう。仮に、国内生産量が需要を上回る事態に発展したとしても、その頃には、今記事を読んでいる世代は、既にこの世を去っている頃でしょうね。
2010年の時点で、260.6万人いた農業に関わっている人の人数が、2019年度には約100万人も減少しています。
このデータや、農業の時代背景から考察するに、止まらない高齢化による廃業が後を絶たない状況がうかがえます。農業の分野では、40代でも若手とみてもらえる背景は、こういった実情があるからなんです。未経験であろうが、多少年齢がいっていようが関係ないんです。「人間性+健康状態」とにかく、この2つがないと、農業なんて務まりませんから。
農業を始める人って何人くらい?
国の助成制度、メディアによる農業への注目度アップ、急速に進むIT社会での職場ストレスの社会問題化などが合わせ重なり、第一次産業に関心を寄せる「未経験者」は年々増加している傾向があります。上のグラフ(画像)にあるように、新しく農業の仕事に就く人の数は、約5万8千人もいることが分かります。<業界にとっては希望につながる数字ですね>
この人数を47都道府県で均等割すると「1年の間に、1,234人が各都道府県で新規就農している」という計算になります。(あくまで単純計算ですが、すごい人数です!しかしリタイア層がいるので足りません!)
はじめての就農で、未経験の仲間ができないことを心配しているなら、もう心配しなくて大丈夫です!最近は、SNS/アグリ系のアプリなどを通じた交流も盛んで、オフ快適な親睦会を催しているグループだってあります。仲間同士、分からないこと、不安なことなど何でも話せる相手と巡り会えて視野が広がりそうですね。
農業で独立派と社員派はどっちが多い?
新規就農する転職者等の人数が増加傾向にあることは分かりましたよね。次に気になるのは、自分以外の人々が農家や農業法人での仕事を始めようとしている中で、就職/転職派と独立派では、どっちを選ぶ人が多いのでしょうか。というのが如実に表れているのが、上のグラフ(図)の内容です。
圧倒的に『独立/自営で新規就農する』人が多い!!
農業を始める段階は人によって違います。例えば、長年に及ぶサラリーマン生活で将来の農業ライフのために貯蓄している人の場合、自宅から離れた場所にレンタル農園を借りていて、周辺の農家の人達とも人脈を構築。簡単なトマト栽培にはじまり、難しいスイカ栽培など、先輩農家の人達に知恵をもらいながら、何でも自分で出来るようになれば、残された道は『独立開業』ということになります。
農業を始めようとする人の年齢層が下がってきているため、20代~30代なら経験ゼロで、土の作り方や水のやり方、作物毎の特徴などを比較的デカいスケールで学んでいくチャンスに巡り会う人も少なくないでしょう。(若い人には教えたくなりますから、どんどん教われますし。)
結論、未経験といっても業界未経験と、知識&経験ゼロでは、スタート地点に違いがあることがわかりますよね。一定の経験と蓄え、何よりも人脈と土地が用意できる人は、独立の道へ。そして、フレッシュスタートをする人は、農家や農業法人で基礎からみっちり実地で学ぶ!
未経験者が農業へと転職する前に理解しておきたい、『日本の就農状況』と『課題』、そして初めてだとしてもチャレンジする人に開かれた道について理解した次は、いよいよ実際の転職活動の進め方を解説していきます。
未経験から独立する場合、指導/共同参画してくれる親類や仲間が欠かせません!収入ゼロや土地/機械購入時の金銭問題などのリスクに左右されないためにも、つてのない方は、農家(個人)や農業法人への就農をおすすめします。
農業へ転職するメリット
農業に興味・関心を抱いて、農家や農業法人への転職をした場合、どんなメリットがあるか代表的な5つを紹介&解説します。家庭菜園で楽しむ日々とは異なり、いざ転職(就農)すると、こんな良いことがあるわけですが、自分が望んでいることと比べてみながら参考にしてみてください。
農業へ転職するメリット1:他業界に比べて倍率が低い
第一次産業である農業の場合、後継者問題から見てとれる通り、担い手自体が少ないことから一般的な有効求人倍率は当てになりません。倍率が低いので、心身共に健康状態が良好で、体力に大きな不安がなく、人間性に大きな問題がなければ転職に成功する確率は高いことはメリットとなります。
農業へ転職するメリット2:学歴/職歴は一切関係なし!
農業の場合、大企業へ転職するときのように、学歴や職歴が延々とつきまとう経験をすることはありません。農家を営む際、農業大学を卒業する後継者もいますが、関連性が高い学歴でも農業高校程度。これから、未経験者として農業にトライする場合に於いても、学歴/職歴よりも「健康/素直/まじめ」の三拍子が揃うことの方が重要な点は、挑戦する人にとって大きなメリットと言えます。
農業へ転職するメリット3:不規則な生活とは無縁!
農家の一日は、早朝から始まり、夕方までには全ての業務が終了!つまり、規則正しい生活をおくる人生がはじまるので、健康にもよく、夜の仕事から農家に転身して「人生が充実している」という先輩は少なくありません。自然相手で大変な面はありますが、土に触れながら、作物や家畜を育てる喜びを感じられる点は、心身共に健康なりやすいことからメリットとなるでしょう。
農業へ転職するメリット4:農地が沢山余っている!
離農する人が後を絶たない背景がるため、地方に行くと、背の高い雑草でいっぱいの土地は沢山あります。農業を始める際、土地や機械などに600万円近い費用(独立する場合)が必要ともいわれますが、都市部で店舗経営をしようとすれば、土地代だけで1000~2000万円は必要になります。余った土地を安く借りる/安く購入することが可能な農業は、経験を重ね、予算が蓄えられた後の拡大という点で大きなメリットであり、アドバンテージとなります。
農業へ転職するメリット5:努力が収入に繋がりやすい!
脱サラして、農業をはじめるとわかりますが、天気のコントロールが出来ない点以外、農作物や畜産物は手をかけてやれば努力した分、収入として答えてくれます。未経験者が転職して、農家を独立開業した場合、初年度~2年目くらいまで無収入を経験する場合もあるようですが、学び/努力/継続の結果がダイレクトに収入を得られるメリットを享受できるのは第一次産業に参画する者の特権といえます。
農業へ転職するデメリット
農業に携わる仕事への転職をする場合、経験者/未経験者を問わず、自然を相手にする職業であるが故のデメリットがあります。ここでは、代表的な農業・農家へ転職する際のデメリットを5つ紹介しますが、自分にとって何がデメリットとなるかは人それぞれ異なるので参考までにご覧ください。
農業へ転職するデメリット1:体力勝負の肉体労働が多い
農業のイメージの中で、最も多くの人の脳裏をよぎるのが「キツい肉体労働」です。昔のように、全てが人力で作業する時代ではないものの、力仕事は多く、体力勝負となる作業はあります。オフィスワークから転職した人の中には、体調を崩したことがキッカケで自信を無くし、離農していく人もいるのでデメリットが直撃しないよう、日々の健康管理と体力作りは将来を左右します。
農業へ転職するデメリット2:収入が気候や災害で上下動しやすい
特に農作物は、その成長過程での天候(風雨/土砂災害/温暖化)など様々な変動により、品質・価格相場が変わりやすいため、台風被害・雨が少ない/多い・天変地異により収入に良くも悪くも影響します。他にも、風評被害等が影響して売れなくなることもあります。
※.飼料や原料になる作物の場合、保存がきくものだと安定することもあります。
農業へ転職するデメリット3:地方の村社会は人間関係重視
畑/農場には広大な敷地が必要であることから、農業で生計を立てようとすれば、広い土地が必要となります。そのため、郊外や地方に土地を求める必要があり、地方の場合は今でも村社会が存在します。昔ほどではありませんが、未だ「よそ者」をすんなり受け入れてくれるコミュニティは少なく、自発的に挨拶や行事の手伝いなどを積極的に行うような性格じゃ無い人は、馴染めず退散するデメリットはあります。(反面、一度受け入れられれば、末永い付き合いができるので、関係構築が上手な人にはメリットでもあります)
農業へ転職するデメリット4:海外旅行には行けなくなる
生き物が相手の仕事なので、仕事に慣れたとしても代役が立てられない限りは、長期連休をとる必要がある海外旅行のような楽しみ方は出来なくなるでしょう。そのため、大きなデメリットのひとつとして、農業を営む家庭の家族は『家族旅行で遠出した経験がない』というファミリー層も少なくありません。
ただし、これは、収入が増えてくることにより新規就農者を募り、社員やパート・アルバイトを採用することで解消できる問題でもあるため、転職したらしばらくの我慢。未経験で不慣れな経営も、3~4年もすれば、将来へ向けた成長の計画を立てられるようになるので、諦めなくても大丈夫です。(要・忍耐/努力)
農業へ転職するデメリット5:夜更かし/夜遊びがしにくくなる
農家の朝は早く、農機が発達した今でも、体力勝負の肉体労働は随所に残っています。独立開業する人は尚のこと、早寝早起きの規則正しい生活が出来ないと、作物や家畜の世話に滞りが発生し損害に繋がります。夜型人間の人には始めキツいのでデメリットに感じたら転職後の失敗に繋がるので生活習慣を改善しましょう。
実は、この生活サイクルが原因で、婚期を逃してしまう人は少なくありません。
筆者の個人的な意見ですが、本気で就農を検討、将来を農業ライフに注ぐ気持ちが強い人ほど、転職前に人生のパートナーをゲットしておくことをおすすめします。(デートもままならないと結婚難しいので!)
未経験から農業に転職する時の就労形態
未経験から農業へ転職する時に考えておいた方がいいのが、『独立を見据えた就農』か『農業法人や個人事業主の農家に就職する(サラリーマンスタイル就農)』のどちらを目指すかということです。
独立志向である場合は、事前にどんな農業をしたいか、作物は何を育てるかなどを検討しましょう。独立後を見据えた技術や知識の習得および、必要免許の取得がしやすい個人農家への転職がおすすめです。独立までは考えていない給与所得をめざす方は、待遇面と社風等が自分にあった転職先であるかの判断が重要です。
個人の農家へ転職をしてから独立
未経験から農業に転職して自分で農業経営をしていきたいという目標がある場合は、個人の農家へ転職して独立していく人が多い傾向があります。個人の農家に就農する場合でも独立した時と同じように、国民健康保険と国民年金に加入することが必要になってきます。
農業を未経験で転職したとき、自然相手の仕事となってくるので体験したことのないトラブルが発生することがあります。普段おきないトラブルを対応することで、農業経営のノウハウを学ぶことができ、農業で独立して続けていくための必要な知識スキルアップへとつながります。
地域によってさまざまですが、農業で独立をしていくなら自治体から必要な支援(補助金)を受けることで、持続可能な農業経営に役立てることができます。
農業法人で給料をもらいながらの農業
未経験から農業法人へ転職すれば、他業種の就職と同じように給与が支払われるため、一定の収入が得られるメリットがあります。業績によって異なりますが、年間4ヶ月程度のボーナスが支給されること、家族手当てや通勤手当などの基本給以外の手当てを支給されることがあり、福利厚生が充実していて経済的な心配は個人農家への転職より少なくなります。
農業法人の多くはホームページから募集要項や職場の雰囲気、仕事内容、代表からのメッセージ文章、先輩社員の紹介など詳細が調べることができます。自分のやりたい農業の方向性や働きたい職場のイメージを持っている場合には、自分の目的に合った農業法人を探し就農することで、やりがいをもって農業に従事することができるでしょう。
はじめて農業転職する人の「仕事探し」
はじめて農業を志す人へ。農業にも様々な職種/職域があります。そして、育てている作物/家畜、品種が異なるため分野の裾は広いといえます。そのため、転職先を決める際の仕事探しには、便利な求人サイトを使うことで、できる限り取捨選択ができるように、沢山の情報を収集して欲しいと考えています。
既に農作業について詳しいと思っていても、実際は、効いたこともない仕事が発見できれば、自分の知見が広がり、学ぶべきコトが見えてきます。
アグリ系の転職、特に未経験から異業種である農業への転職希望の人は、これから紹介する3サイト+1アプリは無料で使えて抜群の情報力なので試して欲しいです。元転職エージェントとして、転職活動のコツは、初動で幅を広げ、課程で知識を得る、そして最終的に絞り込んで「ミスマッチを防止」するの流れを推奨。
農業求人サイト一覧
あぐりナビ
求人数:1,604件
URL:https://www.agri-navi.com/
農業就職フェアを展開しており、転職希望者と農家さんの縁を繋ぐリアルな場を設けている。就農者支援の転職エージェントサービスがあるので無料で相談にのってもらえる。
第一次産業ネット
求人数:983件
URL:https://www.sangyo.net/
※一部、林業/漁業/造園業を含む
老舗サイトで、農業体験や体験ツアーなどの企画者が充実している。学生インターンシップや研修生の紹介なども手がけており、農家や農業法人とのパイプが太い可能性が高い。多角的な視点で第一次産業を支援していることから推奨。
農家のお仕事ナビ
求人数:259件
URL:https://www.agreen.jp/
求人情報こそ少ないように感じますが、未経験から農業の体験を通じて就農を考えることができる求人は豊富。「あぐりーんキャリア」という転職エージェントサービスがあることから、社員として就農したい人は登録必須といえる。
アプリでメッセージング「就農先の選択肢を広げよう」
農mers
求人サイトだけじゃ心細い!強みなどを登録して、農家からの「オファー待ち」をしつつ、分からないことを解明していくなら、このアプリはおすすめ。マイナビ運営だから使い勝手は良いと評判![iOS/Android対応]
未経験から農業へ転職する時に注意点
未経験から農業に転職する際には、農業の大変なところもしっかりと知ることです。農業に従事することで、緑に囲まれた健康的な生活や会社勤めにあるようなストレスの少ない生活ができるなど、良いところもあれば大変なこともあります。
良い作物を作れるかは、天候に左右されることがあり、機械や道具の扱いに危険が伴い体力的に厳しいと感じる時もあります。農業の良い部分だけでなく大変な部分にも目を向け、それを跳ね除けるだけの就農への強い意思があるかどうかを自分でしっかり確かめましょう。
現在の日本の農業問題でいえば、離農や農業従事者の高齢化による人材不足、耕作放棄地の拡大、食料自給率の低下による影響などがあることを知っておくといいでしょう。
農業への転職で「独立する為」に必要なこと
未経験から農業に転職して独立するために必要なことは、農業で生きていくという強い意思と明確なビジョンだけでなく、自己資金や農地と住居の手配、材料の調達など様々な準備が必要になってきます。
自分で農産物の管理や出荷や販売といった総合農業的なことまで独立すれば自分でする必要がでてきます。独立をする前に未経験の農業で独立したときにひとりで対応できるようにしっかり学んでいきましょう。
準備1:ある程度の自己資金が必要
新規就農に必要となった自己資金の平均額は232万円で、1年目に実際に必要となった金額は平均額が569万円(新規就農相談センター調べ)といわれています。その他に農地や住宅のほか設備や機械などを用意する費用はもちろん、生活費のことも考えると1000万円程度は用意する必要があるといえます。
政府による助成金制度として、農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)があり、就農に向けた農業技術や経営ノウハウの習得に専念するための「準備型」と、独立就農後に経営が安定するまでのサポートが受けられる「経営開始型」があります。
無利子で借りられる資金制度や地方への移住支援金制度は、自治体によっても違ってきます。自己資金を確保しておかないと農業をやりながらやってくのは難しいので営農資金と生活資金を新規就農前に調達しておくことがポイントとなってきます。
準備2:農地と住居の手配
農業でゼロからの独立を考えている人は、農地や住居の手配が必要になってきます。新しい土地でゼロからの物件探しは難しく、地元のかたの力を借りたり、自治体の力に頼ることで自分の力だけでは解決できないことができるようになってきます。
新規就農者のほとんどは農地を借りて農業を始める場合があり、農業用水や農道を確保するために地主との交渉などが必要です。新しく就農する地域では地元の方からの情報収集が重要となってきて、農業事業体から研修をさせてもらうなど、他の農家と信頼関係を構築することが大切となってきます。
新しい土地で農業を始める住居選びの注意点としては、農村部の住居は都心と異なりマンションやアパートなどの賃貸物件がほとんどありません。地域によっては、政府や地方自治体が地方への移住支援の一環として、空き家や町営住宅を斡旋してくれるということもありますので、移住先の市区町村や研修をさせてもらったところに相談して、住居を紹介してもらいましょう。
準備3:機械や材料の調達
独立して農業をおこなう時は、農業機械(農機)や材料を新規に揃えようとすると莫大な資金を必要とするため、お金の使い道に工夫していくことが必要になってきます。機械でいえば新品から中古品まで入手が簡単にできるインターネットを活用し中古で購入する方法、他にはレンタルサービスを活用する方法なら、初期投資額を低減することができるため「おすすめ」です。
機械や材料の情報は先輩農家さんに相談することで、インターネット上にはないリアルな情報が集まってきます。農家さんが使わなくなった農機具や農業で必要とする材料の入手ルートなど、多くの情報から選択しながら探すのもひとつの手段です。農業をはじめたばかりの時は収穫もなく経済的に大変なので、できる限り知っている農家さんと連絡をとりアドバイスをもらいながら初期費用はなるべくおさえていきましょう。
準備4:技術やノウハウを身につける
日本では地域ごとに気候が異なるため、気候にあった農業スタイルを見つけるのがおすすめです。農業の技術や経営ノウハウは、やりながら身につける方法と研修を受けながら身につける方法があります。
農業をやりながら技術や経営のノウハウを身につける方法は、新規就農希望者を全面的にバックアップしつつ、将来的に独立をサポートしてくれる事業体を活用することです。そこで経験を積みながら働きながら農業の技術や経営のノウハウなど幅広く学ぶことができます。政府による支援として、全国新規就農相談センターが就農に関する窓口を開設しており、新規就農に関して相談を受けるといいでしょう。
農業研修で学びながら技術や経営のノウハウを身につける方法は、自然を相手にするため自治体や第一次産業ネットがおこなう研修などを利用して、新規就農したい地域で農業経験を積むことや人脈を広く持つことです。その地域に合った栽培技術やノウハウを習得することが可能と同時に情報収集や販路拡大など様々なチャンスにつながるほか、困った時ノウハウの習得につながっていきます。
農業への転職に「あると役立つ資格」はコレだ!
資格名称/合格率/試験時期/受験資格
受験に必要な勉強期間や方法/用途
農業に携わるなら「運転免許」は必須資格!
- 第一種普通自動車運転免許
- 大型特殊自動車運転免許(農耕車限定)
- けん引免許(農耕車限定)
- 中型自動車運転免許
必須は第一種普通自動車運転免許です。
農家では、軽トラ/2トン/4トントラックなどの移動・運搬手段が主流なので、第一種普通自動車運転免許は必須資格です。以前は、マニュアル免許(MT)が必須でしたが、10年ほど前からオートマ限定(AT)でも大丈夫になってきました。
他にも、トラクターやコンバインなどを運転/操縦する必要がある農家では、農耕車を動かす資格を取得する必要が出る場合があります。ただし、未経験からスタートするのであれば、まずは普通車を運転する免許だけあれば問題ありませんので、他の資格は転職(就農)後の取得を目指すようにしましょう。
※公道を移動しない場合は別となります。
中型自動車運転免許は、自前の中型トラックを所有している農家では役立ちます。大量の作物などを、納品までを一貫して行う場合や、酪農で家畜を一気に移動させる必要がある仕事には向いています。
あれば役立つ「農業全般・栽培技術」の関連資格
日本農業技術検定
全国農業会議所が行っている検定で、年2回(7月、12月)に受験する機会が設けられています。検定について最新の情報をチェックするなら「公式サイト」をご確認ください。
【3級】学科試験のみ(マークシート式)
【2級/1級】学科試験+実技試験
農学を専攻する学生、新規就農者向けのスタートアップ資格ですが、基礎からの農業知識を有する証明になるため、農業に関連する職業に就く人は取得することで、就職/転職に有利になることがあります。
日本農業検定というのもありますが、そちらは、農業に関心を持つ人を増やすことを主眼に置いた取り組みなので未経験からの農業転職を解説する本記事では触れておりません。
農薬を扱う人への指導ができる「農薬管理指導士」、燃料を取り扱うための「危険物取扱資格」、自分に合った道具を作るため金属を繋ぐ「溶接資格」などがありますので、必要な段階がきたら検討してみても良いでしょう。
自分の目指す農業像を理解して転職を成功させましょう
日本の農業は高齢化や人材不足といったように多くの問題を抱えています。問題があるからチャンスといった声も多くあり農業の大規模化、ロボット経営による農業の効率化やビジネスの多様化など、農業で成功する明るい未来を掴むチャンスがあります。
農業が向かう明るい未来を考えながら、自分の目指す農業像を具体的に考えていくことが農業で転職を成功させる近道になってくるのではないでしょうか。
日本には先進技術が数多く存在します。その中でも、第一次産業分野、特に農業は未来が明るいといえる背景にはAIの進化により、ビルの中で作物を育てる取り組みもあります。その中にあっても、地面を使った農業は、欠かすことが出来ないだけではなく、主役であり続けることは間違いありません。
未経験からとはいっても、過去の業界/職種における経験のなかで活かせるスキルは必ずありますので、応用可能な得意分野を自己分析によってあぶり出すことも忘れず夢を叶える行動をスタートさて参りましょう。微力ならが、この記事が、あなた様に「何かしらのプラスに繋がる気づき」を提供できることを願いつつ。
▼業種&職種分類も解説中