履歴書を作成するとき、これまでいろいろな仕事を経験してきた方は、履歴書の「学歴・職歴欄」だと全てを書ききれない場合があります。職務経歴は人によって内容が異なるので、市販の履歴書だけだと、どうしても全ての人のニーズを満たしきれません。
今回は、職歴が書ききれない時の対処法を2つを始めに紹介し、履歴書の書き方を工夫する方法とテンプレート選びについてを前半で解説します。そして、記事中盤では「職務経歴書を使うかどうか」を判断する分岐点を紹介、後半では「履歴書の書き方で人に与えるイメージが変わる」と題して、資格/賞罰/本人記入欄の活用ポイントに触れます。
履歴書に職歴が書ききれない方に限らず、同様に学歴が多くて書き切れない場合にも対応する内容ですので、最後に紹介する「履歴書の書き方に不安がある人は就職支援サービスを活用しよう」までご覧になっていただき、まずは書類選考を突破していきましょう!
それでは、早速、職歴が書ききれないときの対処法についてご紹介していきます。
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職歴が書ききれない時の対処法1「学歴や職歴欄を短くする」
履歴書の欄に職歴が書ききれない場合、1つの対処法になるのが学歴や職歴を一部省略して文章全体を短くするという方法です。
このような方法を取るときには、次のような書き方があります。
1-1.「中学卒業」以後の学歴を記載する
もしも、学歴を義務教育を受け始めた「小学校入学」の時点から書いているときには、学歴の部分がかなり長くなっているはずです。
小学校に入学、卒業した年度、中学校に入学した年度などをすべて書いた場合には、「高校入学」の部分を記入するまでに数行ほど使ってしまうことになります。
職歴が多いときには、こういった部分を少し短くしてみましょう。
例えば、「中学卒業」から書けば、職歴欄に数行のゆとりができます。
新卒の就職活動などでは、小学校から学歴を書くのが1つのスタイルになっていますが、転職活動の場合は臨機応変に履歴書の書き方を工夫するのがベストです。
1-2.パートやアルバイトの職歴を省略する
パートやアルバイトの職歴を省くのも、対処法の1つになってきます。この手のパートやアルバイトは、数ヶ月から1年前後の短期間の就業の場合もあるでしょう。
とくに転職に有利になるような業務内容でなければ、パートやアルバイトの職歴を一部省略してしまうという手もあります。
この方法を取るときには、ブランクの期間が余り目立たないようにするのがポイントです。
面接で質問を受けた際にブランクの期間についてもきちんと説明ができるように、上手に職歴を取捨選択しましょう。
アピールしたい職歴を優先的に書き、不要な職歴を削るのがこの方法です。
1-3.入社と退社を同じ行に書く
職歴は、入社した年度に「○年○月株式会社××入社」、退社した年度に「○年○月株式会社××退社」と2行にわたって書くのが一般的です。
ただ、職歴が多い方がこのような書き方をした場合、1つの仕事の職歴を記載するのに最低でも2行は必要です。
職歴欄をコンパクトにまとめたいときには、1行に「○年○月株式会社××入社(○年○月退社)」とまとめて書くと、使用する行数を減らすことができます。
こういった書き方をすれば、もしかするとすべての職歴を欄の中に記載できる場合もあるかもしれません。
どうしても職歴を削りたくないときには、書き方を工夫するのも1案です。
職歴が書ききれない時の対処法2「市販の履歴書を編集する」
2つ目の対処法として挙げられるのが、市販の履歴書を編集する方法です。
学歴や職歴の書き方を工夫しても欄の中に職歴が書ききれないときには、実のところ自分で履歴書を編集してしまうのも良い方法です。
2-1.テンプレートを自分でアレンジする
インターネット上からは、有料、無料で提供されている多種多様な履歴書のテンプレートを入手することができます。
このような履歴書は、パソコンなどにダウンロードをして使用することになりますが、行数などは自分で変更が可能な場合があります。
無料でダウンロードができるテンプレートも多く、いろいろなサイトにアクセスをして、利用しやすいテンプレートを幾つかストックしておくという方法も可能です。
市販されている紙の履歴書は、通常はJIS規格の様式になっていますが、サイトで提供されている履歴書はそのサイトのオリジナルというケースも少なくありません。
このような履歴書は、自己紹介欄や趣味、特技の欄がやや多いなど、キャリアや得意分野をアピールしやすいようなフォーマットになっていることが多いです。
数あるテンプレートの中から、好きなタイプをダウンロードして自分で行数を増やせば、職歴をすべて書き入れることができるでしょう。
2-2.エクセルなどで自分で履歴書を作る
とくに応募先の企業から履歴書の指定がない場合、「この様式でなければいけない」といったルールはとくにありません。
したがって、学歴や職歴などの基本的な情報が見やすくまとめられていれば、自分で作った様式でも問題視されることはないでしょう。
市販の履歴書を参考にして様式を考えれば、採用担当者に奇抜な印象を与えることもなくなります。
実際、エクセルなどを使うと、市販されている履歴書とほとんど変わらないような整ったテンプレートが出来上がります。
自分で一から履歴書を作る場合は、全体のバランスを考えながら欄の行数を増やせるため、職歴欄だけがやけに目立ってしまうといった心配も少なくなるでしょう。
自分で履歴書を作成すると、職歴欄だけではなく、自己紹介欄などの自分がとくにアピールしたい欄も増やすことができます。
職歴が書ききれない時は職務経歴書を使う
どうしても履歴書に職歴が書ききれないときや、履歴書をできるだけすっきりとまとめたいときには、職務経歴書を使うという奥の手があります。
履歴書に書ききれなかったことを補足できるのが、このような職務経歴書の便利な点。
実際、職歴などを詳しく確認する目的で、応募者に履歴書とは別に職務経歴書の提出を求める企業も多く見られます。
3-1.履歴書に「詳細は、職務経歴書をご参照ください」と記載して誘導する
職務経歴書に職歴を書く場合、履歴書には職歴を書く必要はありません。
このようなときは、履歴書の職歴欄に「詳細は、職務経歴書をご参照ください」と書いておき、職歴については職務経歴書を見て確認してもらえるように誘導しましょう。
読む側にとっても、欄内に細かい文字でぎっしりと職歴が書かれているよりは、別紙に分かりやすくまとめられていたほうが内容を理解しやすくなります。
3-2.職務経歴書は古い順に職歴を書く必要はない
職務経歴書は、履歴書と違って必ずしも古い順に内容を書かなくても良いという特徴があります。
市販されている職務経歴書の中には、履歴書同様に古い順から内容を書き入れていくタイプも見られますが、こういった職務経歴書の様式はあくまでも1つのパターンに過ぎません。
職歴を年代順に書くと、実のところ経験した仕事内容や実績などが分かりにくいケースもあります。
職歴が多い方の場合は、情報の羅列になってしまう可能性があり、今一つキャリアや身につけたスキルが伝わりにくい内容になってしまうのが問題です。
3-3.業務内容ごとに職歴をまとめて書くのも1つの方法
職歴が多い方の中には、同じような業務を複数の勤務先で経験したという方もいるでしょう。
このような方の場合は、経験した業務の内容ごとに職歴をまとめて書くことも可能です。
例えば、営業事務と総務事務を幾つかの企業で経験した方であれば、営業事務と総務事務の項目を作り、それぞれ勤務した会社名を順に記載していきます。
こういった書き方をすると、職歴が多くても経験した業務内容を明確に伝えやすくなります。
志望動機や自己PR、スキルを書く欄を別に設けてまとめると、転職に向けての意欲をアピールできるような職務経歴書になるでしょう。
履歴書の書き方で人に与えるイメージが変わる
これまで社会人として働いたことがないと、履歴書の正しい書き方が分からない場合もでてくるでしょう。
自己流に書いてしまう方もいるかもしれませんが、履歴書は応募者の印象を左右する重要な書類ですので、正しい書き方はぜひ覚えておきたいところ。
就職した経験がない方の場合、例えば以下のような項目の書き方に戸惑うケースが多いです。
- 資格
- 賞罰
- 本人希望記入欄
この3点について、詳しい説明をしていきます。
4-1.資格
履歴書の資格の欄には、その資格の正式な名称を記載するのが基本です。
英検のように多くの方がその名を知っている資格であっても、「英検2級」というように略して履歴書に書くのは避けたほうが無難です。
英検は「実用英語技能検定」が正式な名称になりますので、資格の欄にも略さずに正式名称を記入します。
これと言って資格を持っていない場合も、パソコンスキルなどがあるときには、資格の欄にその旨を記載することもできます。
また、目下取得に向けて勉強をしているときには、状況に応じて「勉強中」や「取得見込み」といった表現で資格名を書いておくと、アピール力がアップするでしょう。
4-2.賞罰
賞罰は、受賞歴や表彰歴、法的に罰を受けた場合に記入する項目です。
応募先の企業の業務に関係するような賞を過去に受賞しているときや、社会活動などで表彰された経歴があるときには、このような欄に記載をします。
ちなみに、賞罰に該当する法的な罰は、刑事事件で有罪判決を受けた場合に限られます。行政処分や違反運転の罰則などは該当しませんので、交通違反などをした経歴があって
も、履歴書にわざわざ記入する必要はありません。
4-3.本人希望欄
履歴書の最後のほうによく見られる、本人希望記入欄も社会人経験がない方にとっては少し分かりにくい部分になるかもしれません。
4-3-1.貴社の規程に従いますと書くのが無難
このような欄には、希望する勤務地や勤務時間などをつい書き入れたくなりますが、転職活動をする上では「貴社の規程に従います」などの文言を書くのが無難な方法と考えられています。
勤務のスタイルなどに希望がある場合でも、できればこのような欄を使わずに要望を応募先に伝えるのが良いアプローチになるでしょう。
4-3-2.履歴書ではあなたの細かい個性が伝わりにくい
書類選考の段階では、先方の企業も応募者の状況やパーソナリティが分からないため、無難な内容でまとめたほうが誤解を受ける可能性が少なくなります。
面接の際にさりげなく事情を話す、などの方法で上手に希望を伝えていきましょう。
このような履歴書の疑問に答えてくれるのが、例えば就職支援のサービスです。
この手のサービスでは、履歴書の書き方はもちろんですが、自己PRの仕方も教えてくれます。
履歴書の書き方に不安がある人は就職支援サービスを活用しよう
就職支援サービスをおすすめできるのが、次のような方です。
- 履歴書の書き方に不安がある
- 社会人の経験がない
- 自分の強みやアピール方法が分からない
5-1.履歴書の書き方に不安を感じる場合
就職支援サービスでは、履歴書の書き方を一から指導してくれます。
対面での指導や添削指導などを通じて、正しい履歴書の書き方を教えてくれるのが、就職支援サービスの特徴になっています。
アルバイトの職歴の書き方や職歴を上手に取捨選択する方法なども教えてもらえるため、サービスを利用すると応募する際の不安が一気に解消することが多いです。
職務経歴書の書き方についても担当者からアドバイスが受けられますので、書類選考の通過率もアップするでしょう。
5-2.社会人経験が無いことが不安の場合
また、社会人経験がない方にも、就職支援サービスはおすすめです。
実際に職場で正社員として働いた経験がないと、実務的な知識や社会人としての常識にも疎いケースが少なくありません。履歴書の書き方1つを取っても、一定のルールがあるのが日本の社会です。
例えば、今回取り上げた「本人希望記入欄」の書き方などは、社会人経験がない方にとっては少し戸惑いを感じる部分になるかもしれません。
就職支援サービスを利用すれば、このような欄の書き方についても適切な方法を教えてもらえます。
5-3.アピールポイントが分からない場合
就職支援サービスでは、一般的に最初にカウンセリングなどを行って、その方の強みやアピールポイントを担当者が把握します。
これからの転職活動のプランを立てる上でも、カウンセリングは大切なプロセスです。
本人が自分の強みやアピールポイントを自覚していないときには、自己分析のセミナーへの参加を進めるなどの方法で、自身がしっかりと自分の良さを把握できるようにアプローチをしていきます。
サービスの担当者は、応募書類の書き方についてのアドバイスや面接対策を通じて、応募者が自分の強みやアピールポイントを十分に伝えられるように、陰ながらバックアップしてくれるわけです。
5-4.就職支援サービスは無料で利用できる
こういった就職支援サービスは無料で利用できることが多く、利用する際にも面倒な手続きなどは不要です。
担当者は概して親身に相談にのってくれるため、職歴に余り自信がない方にとっても心強いサポート役になってくれます。
履歴書などの応募書類の準備で戸惑ったときには、ぜひ就職支援サービスを利用してみてはいかがでしょうか。
気付いていなかった自分の強みを改めて知り、新たな気持ちで就職活動をスタートできるようになるかもしれません。